宝石辞典

ターコイズ(トルコ石)の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説について

1995年11月25日

12月の誕生石「ターコイズ」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。

ターコイズとは

ターコイズの名前は、主産地であるイランやシナイ半島からトルコ経由で地中海を経てフランスに持込まれたことで、フランス語で「トルコの石」を意味する「ピエール・テュルクワーズ(pierre turquoise)」からきています。

ターコイズの特徴
原産地 アフガニスタン、中国、インド、イラン、アメリカ
青緑、スカイブルー
属性 ターコイズ
硬度5.00 - 6.00
屈折率1.61 - 1.65
比重2.76 (+0.14、-0.36)

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ターコイズの伝説・歴史とは

ターコイズは最も古くから採掘されていた宝石のひとつで、その歴史はエジプトのシナイ半島、紀元前6000年までさかのぼります。

古代には、エジプト人、ペルシャ人、モンゴル人、チベット人が皆ターコイズを珍重していました。紀元後1000年までに、ターコイズの人気は大いに高まり、中国人やアメリカ大陸の原住民もこの青い宝石に魅了されるようになったのです。

古代エジプトで宝飾品として使用されていた

何千年にもわたって、古代エジプト人はターコイズを宝飾品として使い、ミイラとともに優れた品を埋葬していました。1900年に王妃ゼルの墓が発掘されたとき、その手首にはターコイズとゴールドのブレスレットが発見されました。これは世界最古のジュエリーのひとつです。

様々な地域で愛されたターコイズ

 ターコイズは、古代からエジプト、ペルシャ(現在のイラン)、アメリカそして中国で何世紀にもわたって採掘、取引され、人々を魅了してきました。

中東

ペルシャ(現在のイラン)では紀元前5000年からターコイズが採掘されていました。ペルシャ語でターコイズは「勝利」を意味する「フェロザー(ferozah)」と呼ばれ、今でもイランの国の石となっています。

ペルシャ人はスカイブルーのターコイズを好んだため、「ペルシャン・ターコイズ」という用語が地理上の産地ではなく、色合いを示す言葉として間違って使われることがあります。

メキシコ

メキシコでは、900年から1000年のあいだにアステカ人がターコイズの採掘を始め、精巧な仮面を作り上げました。

現在大英博物館に展示されているアステカ皇帝モクテスマの宝物には、ターコイズのモザイクで覆われた素晴らしい蛇の彫刻が含まれています。古代メキシコでは、ターコイズは神のためにとっておくもので、ただの人間が身につけることはできませんでした。

アメリカ

アメリカでは、ターコイズのジュエリーは長い間ネイティブアメリカン(ズーニー族、ナバホ族)によって作られてきました。今では、ターコイズはネイティブアメリカン文化、特にズーニー族のブレスレット、ナバホ族のコンチャベルト、カボチャの花のネックレス、サンダーバードのモチーフなどと結び付けられて注目を集めています。シルバーの台に載せた、あるいはシルバーと組み合わせたターコイズのネイティブアメリカンジュエリーは、実をいうと比較的新しいもの。こういった様式のジュエリーは1880年ごろ、白人の商人がナバホ族の職人に銀貨を使ってターコイズとシルバーのジュエリーを作るよう説得したときまで知られていなかったのだという人もいます。

北アメリカ・ニューメキシコのズーニー族は、ターコイズが悪魔から守ってくれると信じ、銀の台に見事なターコイズを載せたジュエリーを作りました。ナバホ族はターコイズが空から落ちてきたもので、それゆえに悪魔から守ってくれるのだと信じていました。アパッチ族の戦士は、ターコイズを身につけることで狩りの腕が上がると信じ、弓にターコイズを取りつけておくと、その弓から放たれた矢は必ず的に当たるという言い伝えもあります。いずれの部族も、ターコイズが幸運と幸福をもたらすと信じていたのです。

アメリカのアナサジ族の人々は、現在のアリゾナ州、ニュー・メキシコ州、コロラド州でターコイズを採掘していました。チャコキャニオンの町はターコイズの交易で非常に豊かになり、多くの場合、ターコイズは熱帯の鳥の羽と交換されました。この地域で産出されたターコイズは、アメリカ大陸の通商路を通って運ばれ、遠くはユカタン半島のマヤ文明の大都市、チチェン・イツァでも出土しています。十六世紀まで、アメリカ南西部の文化ではターコイズが通貨として使われていたのです。

ヨーロッパ

ヨーロッパ人がターコイズに関心をもつようになったのは、シベリアの人々が宝石を使いはじめた紀元前500年頃にさかのぼります。しかし、ターコイズが西ヨーロッパの服飾に影響を与えるようになったのは、中世後期に中近東との交易が盛んになってからのことでした。

アジア

中国は国内にターコイズの鉱脈がいくつかありましたが、ほとんどはペルシャ、トルコ、チベット、モンゴルから輸入していました。アジアでは、ターコイズは邪眼よけのお守りと考えられていました。チベット人はターコイズを彫って儀式の祭具を作り、伝統的な宝飾品を身につけました。

ターコイズの言い伝え

ターコイズは新しい計画を始めるのに役立ち、身につけた人を落下、特に落馬から守ると信じられています。

ヨーロッパでは今日でも、ターコイズの指輪は自分を忘れないでほしいという贈り物として贈られるのです。

ペルシャ、インド、アフガニスタン、アラビアの古代の写本によると、ターコイズを身につけた人の健康はターコイズの色の違いによって決まると伝えられています。また、ターコイズは繁栄をうながすと考えられていました。

ターコイズの特徴・特性とは

ターコイズは水酸化銅アルミニウム燐酸塩で、濃いブルーに茶色の褐鉄鉱や黒い酸化マンガンの筋目が入っていることも多く(通称:スパイダーウェブ ターコイズ)、宝石として評価されています。ターコイズはほとんどの場合不透明で、カボション型に磨かれますが、ごくまれに半透明のターコイズも存在します。

まとめ

「ターコイズ」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。

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