多色性を持つ「アンダルサイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。
アンダルサイトとは
名前の由来
アンダルサイトはアルミニウム珪酸塩で、その名前は発見された土地であるスペイン南部のアンダルシア州アルメリアに由来しています。
アンダルサイトの多色性
アンダルサイトの色の動きはアレキサンドライトと比較されますが、専門的に言うと全く違うものです。
アンダルサイトのような宝石は多色性(異なった方向から見ると異なった色に見えること)と言って、すべての色を一度に見せるのに対し、アレキサンドライトは光源が変わらないと色が変わりません。
アンダルサイトの特徴 | |
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原産地 | ブラジル、モザンビーク、スリランカ |
色 | 茶色、緑色、オレンジ色、赤、白 |
属性 | アンダルサイト |
硬度 | 7.50 |
屈折率 | 1.62 - 1.65 |
比重 | 3.05 - 3.20 |
アンダルサイトの伝説とは
キアストライト
アンダルサイトの中には炭素のインクルージョン(内包物)があり、断面に黒っぽい十字模様が見えるようにインクルージョンが並んでいるものがあります。このような種類は「キアストライト」と呼ばれ、昔の文書の中では「十字架の石」を意味する「ラピス・クルシファー」と記述されています。
キアストライトはスペイン北西部の町サンティアゴ・デ・コンポステーラ近くの片岩層から見つかっており、かつてはこの「十字架の石」で作ったお守りを、多くの巡礼者が買っていきました。キアストライトは守りの宝石と言われることが多く、かつては凶眼の呪いに対抗するために使われました。
そのほか、アンダルサイトにまつわる言い伝え
クリスタル療法では、アンダルサイトを知性や問題解決能力、精神的な明晰さを高めるものとされています。
また冥府からのメッセージを受け取る力があるとも言われます。
アンダルサイトの特徴・特性とは
アンダルサイトは、カイヤナイトとシリマナイトというふたつの鉱物の同質異像体です。これは、化学組成が同一なのに、結晶構造が異なるということです。
アンダルサイトは熱で変成した泥質岩や、圧力の低い状態で部分的に変成した泥質岩の中で形成されます。また、ペグマタイトの中でコランダムやトルマリン、トパーズなどの鉱物と一緒に形成されることもあります。
アンダルサイトのカット
アンダルサイトが有名な理由は、その並はずれた多色性にあります。
他の多色性の強い宝石(アイオライト、タンザナイト、クンツァイトなど)をカットする時、細工職人は多色性を最低限に抑えると同時に、最も魅力的な一色を最大限に引き出すよう努力します。興味深いことに、アンダルサイトの場合は逆で、違った角度で現れる色はすべて魅力的です。
そこで細工職人は宝石がオレンジ色、茶色、黄色、緑色、金色といったすべての色を美しく放つ角度にカットします。カットが成功すると、アンダルサイトはほかの宝石とはまったく違い、カット面のまわりを色の模様が踊っているように見えます。
まとめ
「アンダルサイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介いたしました。
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