宝石辞典

【まとめ】知っておきたい宝石「ジルコン」の基礎知識

1995年12月1日

「ジルコン」の基礎知識をまとめました。

ジルコンとは

12月の誕生石として新たに追加されたジルコン。ジルコンの美しくきらめく輝き、鮮やかな色合いは、どんな宝飾品のコレクションに加えても楽しめることでしょう。

ジルコンの特徴
原産地 カンボジア、ナイジェリア、スリランカ、タンザニア
青、緑、はちみつ色(金色)、白、黄
属性 ジルコン
硬度6.0 - 7.5
屈折率1.81 - 1.99
比重3.90 - 4.73
その他12月の誕生石

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名前の由来

ジルコンの名前は、アラビア語で「赤」を意味する「ザルクン(zarkun)」、または、古代ペルシャ語で「金」という意味の「ザル(zar)」「色」の「グン(gun)」に由来していると言われています。

こんな名前がついていますが、実際には様々な色のジルコンがあります。

ジルコンの伝説・歴史とは

地球が誕生してから1億6000万年後に最初の鉱物が形成され、ジルコンは地球最古の鉱物(44億年)としてオーストラリア西部で発見されました。

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ジルコンの特徴・特性とは

キュービックジルコニアと混同されてきた

キュービックジルコニアは安価な合成石

ジルコンはキュービックジルコニアより何世紀も前から存在していたにもかかわらず、ジルコンは不当にもキュービックジルコニアとよく混同されてしまいます。

キュービックジルコニアは安価な合成のダイヤモンドの代用品で、無色のジルコンに似ている上に、名前の響きも似ています。ジルコンも、ダイヤモンドの代わりに上質な代替品として使われることがありますが、ジルコンそのものがれっきとした価値のある宝石です。

ジルコンのディスパーション

ジルコンの輝きは、ディスパーションと呼ばれ、宝石の中に入った光がプリズム効果で虹色に分散することで現れるものです。ダイヤモンドのディスパーションにほぼ近いディスパーションを持っているという点で、ジルコンの輝きは他のどんな宝石にもひけをとりません。ジルコン・カットは、ラウンドブリリアントカットの変形で、パビリオン(ガードルから下の部分)にさらに8つのファセットを加えたものですが、ジルコンのこうした特性を活かすためにデザインされたものです。

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ユニークな特徴「複屈折(二重屈折)」

ジルコンのバックファセット面はすべて二重に見える

ジルコンのとてもユニークな特徴として、複屈折(二重屈折)があります。これは、ジルコンの内部を光が通るとき、二つの光線に分かれることです。結果として、バックファセットが二重に見え、さらに厚みが増して見えることになります。

ダイヤモンドとジルコン

また、ジルコンはダイヤモンド光沢があり、ダイヤモンドの代わりとしてふさわしいと言われています。

「ダイヤモンド光沢(金剛光沢)」とは

屈折率の高い鉱物に見られる、ダイヤモンドに似た光沢。

大陸移動、造山運動、激しい小惑星の衝突といった途方もない熱と圧力のもとで他の岩石や鉱物が溶解し変成しても、ジルコンは無傷のままです。

かつてはダイヤモンドの代わりとしか考えられていませんでしたが、実はジルコンは信じられないほど古いものなのです。オーストラリア西部で発見された小さなジルコンの欠片は、地球上で現在知られているなかで最も古い物質で、44億年前のもの(地球ができたのは、その1億5千万年足らず前)。ダイヤモンドはそれに比べるとかなり新しく、たかだか33億年前のものしかありません。

ジルコンの産地

ジルコンは、カンボジア、オーストラリア、スリランカ、タイ、ミャンマーが主な産地です。

カンボジア

1890年代にカンボジアでサファイアが発見され、それに伴って多くの褐色のジルコンが採掘されてきました。

カンボジア北東部のラタナキリから採掘された褐色のジルコンに加熱処理をすると、青色に変わります。不思議なことに、カンボジア産以外の褐色ジルコンを加熱しても、青色には変化しません。

カンボジアが華やかなブルージルコンの世界一の産地であるのはおそらく間違いありません。素朴でひなびた、驚くほど美しい地ラタナキリは、世界最高品質のブルージルコンを産出するカンボジア産ジルコンの主要産地です。「ラタナキリ」とは文字どおり「宝石の山」という意味です。

伝統的に、ジルコンの採掘はラタナキリ州の州都バンルンから30キロメートル余りのボー・ケオ近郊で行なわれていましたが、今では新しい採鉱地区がオープンしています。バンルンの南、森の中に採鉱キャンプがあり、地下約4.5メートルの沖積層に入っていく狭い坑道から、労働者たちはせっせとラタナキリ・ジルコンを採掘しています。

オーストラリア

オーストラリアはジルコン最大の産地。

オーストラリア西部のジャック・ヒル地域で、地球最古の鉱物としてジルコンが発見されました。

最大の産出地であるニューサウスウェールズ州とクィーンズランド州から、多くの宝石品質の天然無色と黄-褐色、希少色である赤色と青紫色などのジルコンが産出され、世界市場に一定の量を提供しています。

スリランカ

スリランカの宝石総産出量35%を占める北部エラヘラ地域で、サファイアとルビーが発見される鉱床から、非加熱の白色、黄色、オレンジ、褐色、淡青色、緑色など多くのジルコンが発見されました。

まとめ

「ジルコン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。

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