2021年1月から始まりました「宝石王子®大松彰の宝石ミニ図鑑」。誕生石をメインに、色々こじつけて希少石もご紹介いたしますので、時間がありましたらぜひご一読ください！今回は3月の誕生石アクアマリンをご紹介します。

GSTV番組ガイド誌「GSTV FAN」2021年3月号掲載

「華麗なるベリリウム一族」

　青い空がまぶしく感じるようになる3月。

その色がそのまま宝石の色となった3月の誕生石、アクアマリン。

今月はそのアクアマリンにも含まれる、スーパー遷移元素「ベリリウム」関連の宝石たちをご紹介しましょう！

アクアマリン

これぞサンタマリア、ブラジル産！
五十嵐さん所蔵。

　いわゆる「ベリル」というとアクアマリンはじめ、モルガナイト、エメラルドなどですが、化学組成は「Be3Al2Si6O18」。
これに水酸基（OH）が加わると、、、アニメで大人気になったユークレース「BeAlSiO4（OH）」になります。
エメラルドと共生してコロンビア産が有名です。

ユークレース

アクアマリンをこえる青。

　ベリリウムの単純な鉱物フェナカイト「Be2SiO4」も人気ですねー。

フェナカイト

ライバルはゴシェナイト。
カピルさん所蔵。

そしてベリリウム関連で忘れてはいけないのがアレキサンドライト、キャッツアイを擁するクリソベリル！「BeAl2O4」ベリルと組成は似ていますが、Si（ケイ酸）が含まれません。どちらかというとコランダム「Al2O3」に近く、ベリル族より硬度も高めです。

アレキサンドライト

さすが帝王！！

　さらに人気急上昇のスーパーレアストーン、ターフェアイト「Mg3Al8BeO16」。

ターフェアイト

「ギネスストーン」の異名を持ちます。
カピルさん所蔵。

そしてモル比の違いでよりレアになるマスグラバイト「Mg2Al6BeO12」もベリリウムを含んでいますね。

マスグラバイト

んじゃこれはギネス越え！？
カピルさん所蔵。

　メジャーなケイ酸塩、酸化アルミニウム系だけではありませんよー。リン酸塩（アパタイトなど）グループの中でベリリウムを含むタイプも大人気です。

　ベリロナイト「NaBePO4」キャッツアイも人気。
　ヘルデライト「CaBe（PO4）F」きれいなフォレストグリーンがねらい目。

　ホウ酸塩（トルマリンなど）グループからはハンバーガイト（ハンベルジャイト）「Be2BO3OH」。それぞれジュエリーで見られたらラッキーです！！

　ほかにも、、、はい？
文字数オーバー！？つ、追加できないの？お名残り惜しいですが、ぜひキラキラベリリウム宝石たち、狙ってみてください！

※本記事の作成に五十嵐さんとカピルさんにご協力いただきました。ありがとうございました！

大松 彰（おおまつ あきら）

2015年秋 FGA（英国宝石学協会正会員）取得、ジュエリーコーディネーター１級、天然石検定１級、真珠のプロSA（シニアアドバイザー）　※「宝石王子®」は大松彰の登録商標です。

＞大松 彰のプロフィール・Q&A

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