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宝石王子®大松彰の宝石ミニ図鑑

9月の誕生石「サファイア」【宝石王子®大松彰の宝石ミニ図鑑】

2021年8月31日

2021年1月から始まりました「宝石王子®大松彰の宝石ミニ図鑑」。誕生石をメインに、色々こじつけて希少石もご紹介いたしますので、時間がありましたらぜひご一読ください!今回は9月の誕生石サファイアをご紹介します。

GSTV番組ガイド誌「GSTV FAN」2021年9月号掲載

「サファイア」

 まずは幻のサファイアカシミール。あまりにも市場に現れないので伝説だけが独り歩きしています。そのためコンフラワーカラー=カシミールと言われますが、実際にはコーンフラワーはあくまでもカシミールの一つの特徴で、それ以外に微小なクラウドインクルージョンからなるヘイジー(もやのような)ラスターや独自の内包物などいくつかの条件を確認した上でやっと「カシミールかもしれない?」というレベルにたどりつく、とても同定に慎重になる宝石の中の宝石です。さらに最近、第二のカシミールサファイアを見かけるようになったから複雑です。それはパキスタン側で採られる通称「フーシャ」(花の色)サファイアとも言われているもので、多くが赤紫色のきれいなサファイアですが、一部、青色も見られるようです。評価は高いですが、オールドマインとは一線を画します。


 さてさてカシミールは別次元のお話ですので、今、番組でご案内できるサファイアはと言うと、概ね二つのタイプが挙げられます。

 ●ミャンマー、スリランカを代表する変成岩から採られるタイプ

 ●タイやオーストラリアで採られる火成岩タイプ

マダガスカルでは両方のタイプがあります。火成岩起因はかなり鉄分が含まれるため濃くなりがちですが、色はあくまでも主観になりますので、お好みを選ぶのが一番です。

ミャンマー産サファイア
マダガスカル産サファイア
パイリン産サファイア

●ロイヤルカラーを持つ、ミャンマーやマダガスカル

●カシミールを思わせるスリランカ

●小粒ながら鮮やかなカンボジアのパイリン産
(赤い内包物がみられたらラッキー!!) 考えただけでもワクワクします。

青以外にもあるファンシーカラーサファイアの魅力

スリランカ産パパラチアサファイア

 青もよいですが、サファイアの魅力はファンシーカラーにもあります。
中でも多色性を生かした人気宝石がパパラチアサファイア。

モンタナサファイア

 ただ、あえて今回、取り上げたいのは、今話題のティール(Teal マガモの羽の色)サファイアです。ブルーグリーンの色調と輝きが人気を博しており、その代表がモンタナサファイアです。モンタナ産は一次鉱床で採られる「ヨーゴサファイア」(非加熱が多く、王道ブルー)と二次鉱床の「モンタナサファイア」(パステルカラー)の二種がありますが、ティールカラーは後者で見られます。

  アフリカ勢も美しく大きさも望めますので狙ってみてください!

大松 彰(おおまつ あきら)

2015年秋 FGA(英国宝石学協会正会員)取得、ジュエリーコーディネーター1級、天然石検定1級、真珠のプロSA(シニアアドバイザー) ※「宝石王子®」は大松彰の登録商標です。

>大松 彰のプロフィール・Q&A

\もっと見たい方!
GSTVでは、様々なデザインのサファイアジュエリーを種類豊富にご用意しております。

サファイアについて、もっと知りたい方は「宝石辞典 サファイア」もチェックしてみてくださいね。

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