2021年1月から始まりました「宝石王子®大松彰の宝石ミニ図鑑」。誕生石をメインに、色々こじつけて希少石もご紹介いたしますので、時間がありましたらぜひご一読ください!今回は10月の誕生石トルマリンをご紹介します。
GSTV番組ガイド誌「GSTV FAN」2021年10月号掲載
「トルマリン」
和名は電気石。加熱(焦電)や圧力(圧電)で電気を帯びるためそう呼ばれていますが、ない色がないと言われるほどのカラフルな色合いが宝石としての魅力です。
カラーでみるトルマリン
パライバ
まずはスーパースター、パライバトルマリン。
銅、マンガンによる蛍光色が魅力ですが、近年はより分析が進み、ガリウムや亜鉛などの組み合わせである程度、産地の差もわかるようになり、またエルバイトNA(Li1.5、Al1.5)Al6Si6O18(BO3)3(OH)4 がパライバの組成と言われていましたがNa(ナトリウム)部分がCa(カルシム)に置き換わってF(フッ素)が加わった、リディコータイトの中でも見られるようになりました。
カナリー
パライバと並んで新興トルマリンのスターがカナリヤカラーのトルマリン。
ザンビアでの発見はパライバより先ですが、商業ベースに乗ったのはまだほんの20年ほど前。
16世紀からの始まるトルマリンの歴史ではまだ新参ですが、最大でも50カラットくらいと大きくもならず、きれいなタイプは基本的にあまり鉄分を含まないというたぐいまれな性質があり、今後も多くの産出は見込めないでしょう。
インディコライト
パライバ登場前の王者。
グリーンブルーが一般的ですが、主にブラジル産の中に稀にほとんどグリーンが入らないブルーのインディコライト(あえて「ブルーのインディコ」というくらい冴えた青なんです)があります。
アフリカ産がメインの現状ではパライバよりも目にすることはできないかもしれません。
ルベライト
ピンクからルベライトの赤系統はまさに「宝石」らしい華やかな色合いです(王子個人的な感情)。
ただ残念ながら近年はあまり見なくなりました。
もし選べる幸運な場合があったら色の濃さより発色です。同じ濃さでもパっと鮮やかな方をお選びください。
他にもトルマリンは特別な名前がついて人気がありますが、全般的に良質なタイプは入手困難です。気に入ったものに出会ったら「買い!」です。
ベルデライト(緑)、シベライト(紫)、アクロアイト(無色)、ショール(黒)、ドラバイト(茶)、クロム、バイカラー、ウオーターメロン(同心円バイカラー)
個性の時代、パーソナルカラーにトルマリンをあわせて…、なんて秋のファッションいかがでしょう!?
大松 彰(おおまつ あきら)
2015年秋 FGA(英国宝石学協会正会員)取得、ジュエリーコーディネーター1級、天然石検定1級、真珠のプロSA(シニアアドバイザー) ※「宝石王子®」は大松彰の登録商標です。
\もっと見たい方!/
GSTVでは、様々なデザインのトルマリンジュエリーを種類豊富にご用意しております。
トルマリンについて、もっと知りたい方は「宝石辞典 トルマリン」もチェックしてみてくださいね。
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