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宝石辞典

ムーンストーン(月長石)の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説について

1995年7月4日

ムーンストーンとは

ムーンストーンは、ローマでは月の光でできていると考えられ、インドでは聖なる12宮の宝石と考えられていて、フェルスパー(フェルドスパー/長石の中でも最も愛された種類のひとつでしょう。

ムーンストーンの特徴
原産地 ブラジル、インド、マダガスカル、スリランカ、タンザニア
無色から茶、緑、グレー、ピンク、虹、黄
属性 フェルドスパー
硬度6.00 - 6.50
屈折率1.518 - 1.526
比重2.58
その他6月の誕生石

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ムーンストーンの伝説・歴史とは

古代インドでは

迷信や疑い、ユーモアやロマンスに彩られたムーンストーンは、古代では、4本の手を持つインドの月の神の額にはめこまれたと言います。その独特の色、そして月の神の考えを察することができるという迷信から、ムーンストーンの名は古代インドでつけられ、今日まで伝わっています。

「月の光が固まったもの」と信じられていた

ムーンストーンは月との関わりから、いつも尊ばれてきました。大昔では、ムーンストーンは月の光が固まったものだと信じられ、その輝きは、宝石の中に住んでいる良い精霊の光だと考えられました。

古代ローマでは

古代ローマでは、ムーンストーンは月の満ち欠けに応じてその姿を変えると言い、また、ムーンストーンのひとつひとつに、月の女神ダイアナ(ディアーナ)の姿が見えると思っていました。

月の女神「ダイアナ(ディアーナ)」とは

ローマ神話に登場する、狩猟、貞節と月の女神。

中世では

中世には、ムーンストーンを見た後に深い眠りにつくと未来を知ることができると言い、ムーンストーンは常に女性で、「女神の」宝石でした。

アジアでは

あるアジアの伝説では、月があるところには雨はないので、ムーンストーンの名は「涙知らず」を意味すると言っています。

ムーンストーンは優しい愛情をもたらしてくれると信じられ、恋人への素晴らしい贈り物と言われました。

別の伝説によると、満月の夜にムーンストーンを口に入れると、恋人たちはふたりの未来を知ることができます。大昔には、男性がムーンストーンを口に入れて未来を予言したそうです。

西洋では

現代の西洋におけるムーンストーンのルーツはドイツ語の「モーントシュタイン」(ムーンストーン)で、18世紀後半に、フェルスパーグループの中でも光沢のあるものを指すのに使われたと言われています。

ムーンストーンは第3の目のシンボル

ムーンストーンは第3の目のシンボルとされ、かつては陰と陽のバランスを保ち、てんかんや日射病を予防し、頭痛や鼻血を治し、豊作を約束してくれると信じられていました。

クリスタル療法では

ムーンストーンはクリスタル療法では、男性が女性的な面を持つ手助けをしてくれると言われています。文化によっては、身につける人の個性を、その長所も短所も合わせて、強調すると信じられています。

ムーンストーンの特徴・特性とは

ムーンストーンは鉱物の中のフェルスパーのグループで、その中でも正長石(オーソクレース)の変種。

フェルスパー(フェルドスパー)という名前は、ドイツ語で「畑の石」を意味する「フェルト・シュパート」が由来。フェルスパーは風雨にさらされると、土壌を豊かにするカリウムなど、植物の栄養素を大量に出すからです。

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ムーンストーンのシラー効果

ムーンストーン「シラー効果(アデュラレッセンス)」と呼ばれる青白いオパールのような光彩を放ち、それが宝石の表面を漂っています。異なる屈折率を持つ異なるタイプのフェルスパーが共に成長することによって層状構造となり、そのため起きる干渉現象がこのシラー効果(アデュラレッセンス)を生み出します。この効果を最大限に生かすため、ムーンストーンはカボションカットにされる場合が多いのです。

正長石(オーソクレース)とナトリウム長石(アルバイト)が交互に重なった薄い層になり、光が拡散して青色の閃光現象が現れます。

ムーンストーンの色

ムーンストーンの色は、銀色から青の艶があり、透明度は透明から半透明、そして不透明まで。ボディ・カラーは無色です。

ブルームーンストーンとは

ブルームーンストーン正長石(オーソクレース)系列で、ムーンストーンの中でも透明度が高くミルキーな青色閃光が美しいもの。スリランカやインドで産出されていて、特にスリランカのミーティヤゴダ(Meetiyagoda)地域では最高級のブルームーンストーンが産出されています。

しかし、現在流通するブルームーンストーンの中には、斜長石系列のペリステライトやホワイトラブラドライト、アンデシンラブラドライトなどが含まれているようです。全てフェルスパー(長石)グループに属していますが、含まれる成分が異なります。

レインボームーンストーンとは

ムーンストーンとレインボームーンストーンは、実は別の鉱物。

一般的に、ムーンストーンはフェルスパーグループの中の正長石(オーソクレース)の一種レインボームーンストーンはフェルスパーグループの中の斜長石系列で、ホワイトラブラドライトや、アンデシンラブラドライトが「レインボームーンストーン」として流通しています。

ラブラドライトはイリデッセンス(ラブラドレッセンス)と呼ばれる光学効果によって、鮮やかなレインボーを放つ特徴があります。

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アルバイトムーンストーンとは

フェルパーグループの中の斜長石系列の一種で、青色閃光を示すもの。「ペリステライト」とも呼ばれています。

2005年に、タンザニアのナマルル(Namalulu)地域で、高品質なアルバイトムーンストーンが発見されました。カナダのオンタリオ州でも青いシラーの弱いものが産出されています。

まとめ

「ムーンストーン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史ついてご紹介いたしました。

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