スピネルは正体を誤解されていたために、歴史上の記述がスピネルにはほとんどありません。
しかし魔術師や錬金術師と不思議な関係があったり、ルビーと間違えられてきたりと、宝石の歴史の中でユニークなポジションにあります。
そこでスピネルにまつわる神話や逸話をほんの一部をご紹介します。
魔術師と錬金術師との不思議な関係
スピネルは、魔術師や錬金術師と不思議な関係があります。スピネルは「黒魔術師」たちが悪魔を呼ぶために使い、黒魔術師が火から身を守る魔よけとしても使われていました。
またスピネルが持ち主の不利になるような使われ方もあったことを物語るお話があります。
紙に包んだスピネルを持って近づいた時に、魔力を持っていると考えられる人が震えだしたら有罪を宣告されたのです。
ルビーと間違えられてきた
スピネルは宝石の歴史の中では、ユニークなポジションにあります。
1587年には別の宝石だと認識されたにも関わらず、19世紀まではレッドスピネルの深い色合いは、ルビーと間違えられていたことがありました。色が似ていることと鉱床が非常に近かったため、混同されていたのです。
1783年に初めてロメ・ドゥ・リールがルビーとレッドスピネルの違いを科学的に明らかにしました。レッドスピネルはルビーに似ていることから偶然にも、バチカンやロシア、イラン、イギリスの王家の宝石といった世界の名だたる宝石コレクションに多く収蔵されています。
黒太子のルビー
イギリスの王家に伝わる352カラットの伝説の「ティモールルビー」や170カラットの「黒太子のルビ ー」は興味深いことに、いずれもレッドスピネルでした。
1415年のアジャンクールの戦いでは、イギリス王ヘンリー5世は「黒太子のルビー」をはじめとする宝石で装飾されたカブトを着けていました。この戦いでフランス軍指揮官であったアランソン公爵がヘンリー5世の頭に戦斧で激しい一撃を加え、あやうく王は命を落とすところでした。しかしスピネルがその一撃を跳ね返してヘンリーは命拾いしました。驚いたことにスピネルは不可能だと思われていた勝利にイギリス軍を導いたのです。
まとめ
スピネルにまつわる伝承をご紹介いたしました。
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