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宝石辞典

【まとめ】知っておきたい宝石「ルベライト」の基礎知識

1995年10月25日

「ルベライト」について基礎知識をまとめました。

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ルベライトとは

ルベライトは、ラテン語で「赤から生まれた」という意味の「ルベリウス」に由来する、美しく輝く赤みがかったピンクから紫系のトルマリンの一種。カラーバリエーション豊富なトルマリンの中でも流通量が少なく、希少価値も高いと言われています。

ルベライトの色

ルベライトの官能的な色は、誘惑の象徴。情熱的なピンクから挑発的なパープルまで、ルベライトはレッド系の豊かな色合いで完璧なロマンスを演出します。

ルベライトは天然のインクルージョンが多い傾向で、ルベライトの色の原因となる化学物質マンガンは、成長中の結晶に傷をつけます。マンガンが多いほど赤の色合いは深くなり、最終的な結晶の形も不完全になります。そのため、深い色合いでありながら内部がきれいなルベライトは、かなり珍しく貴重です。

ルベライトのインクルージョンは、ルベライトがクリスタルポケットの中心近くで形成されるからで、生成中にかかる負荷と圧力がより大きいからです。それにも関わらず、ルベライトは耐久性のある宝石で、日常的に使用するのに適しています。

ルベライトの歴史とは

ルベライトは長年ルビーと間違えられてきた歴史があります。

ロシア皇帝の王冠の赤い宝石

17世紀にはロシア皇帝が、多くの宝石を王冠につけるように命じました。しかし最近になって、当時ルビーと思われていたものが、実はルベライトであると発見されたのです。

最も有名なのが、ロシアのロマノフ王室が所有していた「いちごの彫刻」260カラット以上もある世界最大のルベライトで、長年ルビーと思われていましたが実はルベライトだったのです。

チェコ王室「聖ヴァーツラフの王冠

チェコ王室の「聖ヴァーツラフの王冠」
(引用元:K. Pacovsky, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons

また、14世紀後半に作られたチェコ王室の「聖ヴァーツラフの王冠」も、青いサファイアと赤いルビーが使用されていると思われていましたが、実は赤いルビーはルベライトだと判明しています。

ルベライトの産地

ブラジル

ルベライトが発見されたのは19世紀、ブラジルでのことでした。

ブラジルは今でも、特にミナス・ジェライス州を中心に、主要な供給国となっています。最高品質のものには、ミナス・ジェライス州コロネル・ムルタのオウロ・フィノで採掘されたものがあります。1983年頃発見されたのですが、1985年には鉱床は掘り尽くされてしまいました。オウロ・フィノ産ルベライトは宝石界で伝説的な地位を得ています。

マダガスカル

マダガスカル産のルベライトは、マダガスカル中央部の高原地帯にあるアンタナナリボ州のベタフォの町から42km程の鉱山から採掘されます。興味深いことに、この鉱床からはルビーに良く似た色をした実に珍しいルベライトが産出されるのです。

アメリカ

南カリフォルニアのパラ地区もかつて、特に19世紀末から20世紀初頭にかけては重要な産地でした。トルマリン・クイーン鉱山からの上端が青く見えるルベライトの結晶は、鉱物コレクターの間で世界的に有名です。

アフリカ

1998年夏、新しいトルマリン鉱床がナイジェリアの古都イバダンから40キロメートルの農村地帯で発見されました。ここの石は例外的にクリーンで色鮮やかでしたが、ほんの数年で1000キロ以上の原石が地中から運びだされ、そして登場したときと同じくあっという間に無くなってしまいました。

2007年には、今度はモザンビークのチモイオ付近(ジンバブエとの国境近く)で、ナイジェリアと同じような色の出る鉱床が発見されました。

まとめ

「ルベライト」の特徴や特性、歴史についてご紹介いたしました。

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