アトリエ・ムンシュタイナーから嬉しいお知らせが届きましたので、今回は「モチーフから見る宝石彫刻」をお休みして、皆様に写真とともにお知らせします。
(番組ガイド誌「GSTV FAN」 2024年12月号掲載記事をWEB用に再編集しております)
作品制作と受賞について
様々なことがあった2024年も、残すところあと1か月となりました。気づけばあっという間に、師走の慌ただしい時期を迎えています。アトリエ・ムンシュタイナーにとっては、環境が大きく変化した1年であったことは間違いありません。
世界の宝石彫刻芸術界をリードし、常に新しい発想と独自の哲学で世界中のファンを魅了してきた偉大な宝石彫刻家の2人、ベルント・ムンシュタイナー氏とトム・ムンシュタイナー氏が突然のご逝去によってこの世を去りました。長年親交のあったスーパーバイヤー、そして私にとって非常に大きな衝撃でした。
深い悲しみに包まれながら訪れた弔問で、フィリップさんの前向きな気持ちと力強い意志を感じ、大きな可能性を感じました。祖父と父の想いを引き継いで、とにかく自分が頑張っていかなければいけないという覚悟を私たちは感じたのです。
トムさんの弔問から約11か月、ベルントさんの弔問から約半年、アトリエ・ムンシュタイナーから嬉しいお知らせが届きました。それは、ユッタ・ムンシュタイナー氏がAGTA(American Gem Trade Association:アメリカ宝石貿易協会)主催のSpectrum Awardを受賞したというニュースです。
今年で40年目となるこのコンテストは、宝石・ジュエリーに関する著名なデザイン賞で、特にカラーストーンの美しさやデザインの創造性が評価されます。受賞した2作品のいずれも、トムさんによってカットされた作品をユッタさんがジュエリーに仕立てたものです。
どちらも非常に美しく、迫力があります。リングの着け心地もさぞよいことでしょう。来年2月のツーソン・ジェムショーではきっと展示されるでしょうから、実際に作品にお目にかかれるのが今からとても楽しみです。
フィリップさんも積極的に作品を作り、アワードに挑戦しています。近々良い知らせがありそうですが、それはまた次回のお楽しみとさせてください。
ドイツのクリスマス
さて、12月になるとドイツの街は完全にクリスマスの雰囲気に包まれます。最近は暖かい時期に行くことが多いですが、若い頃はあのピンと冷たい空気と可愛らしいクリスマスマーケットの雰囲気が大好きで、冬に好んで出張していた時期もあります。
ドイツのクリスマスマーケットは、それぞれの地域で伝統や民芸品にこだわって開催されており、街によって10軒程度から100軒以上のお店が並ぶマーケットもあり、広場を歩くだけで楽しいです。日本では見たことのない様々なオーナメントを見つけることができます。
飾り付けをされたツリーやクリスマス一色の街並みを楽しみながら、出店で食べるソーセージは格別です。
そして、ソーセージ以上にこの時期のドイツで大好きなもの、それはグリューワインと呼ばれるホットワインです。寒い広場で白い息を吐きながら飲むグリューワインは、最高です。
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