最近、身につけるだけでなく「資産価値」としてジュエリーが注目されています。理由はさまざまありますが、鉱山からの産出が減ってきていること、そして新興国の富裕層が素晴らしいジュエリーをコレクションする機会が増えていることが主な要因です。
そこで世情にそって本連載では「資産価値」の観点からジュエリーを見ていきたいと思います。
(番組ガイド誌「GSTV FAN」2023年3月号掲載記事をWEB用に再編集しております)
ダイヤモンドのカラー
世界四大宝石の中で、最も知名度が高いダイヤモンド。無色(カラーレス)~淡黄色または淡茶色の色合いが大半ですが、ピンクやブルーなどの色味を持ったファンシーカラーと呼ばれるレアカラーのダイヤモンドもごく少数ながら存在します。今回取り上げるのはその中でも色合いや評価が様々な「イエローダイヤモンド」。
イエローダイヤモンドの価値を決めるものとは
イエローダイヤモンドの評価を決めるのは、黄色みが強く鮮やかであること。多くは「ケープ」と呼ばれる優しいレモン色に色づいた石になりますが、ごく一部「カナリーダイヤモンド」などと称される鮮やかなイエローダイヤモンドは別格の扱いに。また一般的なダイヤモンドの評価と同じく、傷がなく大粒であるほど価値は高くなります。
他のカラーダイヤモンドと比較して産出量は多く、ロシア、インド、ブラジルなど世界20か国以上で採掘されるのですが、最も有名な産地は南アフリカ。100ctを超える大粒石も産出されることがあります。
世界でも注目を集めるイエローダイヤモンド
「ティファニーで朝食を」の宣伝でオードリー・ヘップバーンが128.54ctの「ティファニー・ダイヤモンド」を身につけたことで宝石として脚光を浴び、近年でもレディー・ガガ、ビヨンセがレッドカーペットでイエローダイヤモンドジュエリーを身に纏ってメディアの取材を受けています。
オークションにおけるイエローダイヤモンド
近年その存在感を高めているイエローダイヤモンドはオークションの世界でも着実に評価を高めています。
2011年11月、スイス・ジュネーブで開催されたサザビーズのオークションにて110.03ctの洋ナシのような形状のイエローダイヤモンド「サンドロップダイヤモンド」が当時の史上最高値である約1130万フラン(約9億5000万円)で落札されました。次いで2014年5月、同地・同オークションで、スイセンの花のように鮮烈な色合いを放つ逸品「グラフ・ビビッド・イエロー(Graff Vivid Yellow)」(100.09ct)が更なる高値の1450万スイスフラン(約16億6000万円)で落札。そして昨年12月、香港での同オークションでは、ブラウンがかったイエローカラーが特徴の303.10ctのペアシェイプカット「ゴールデンカナリア」が、1240万ドル(約17億円)で取引されました。
イエローダイヤモンドの魅力
そもそも黄色は、太陽の恵みをイメージさせ、ポジティブで活発、富や繁栄の象徴の色としても親しまれてきました。身につけることで元気をもらえて、多幸感をもたらす魅力溢れるイエローダイヤモンド。GSTVでは「ファンシーインテンスイエロー」など品質の高い素材に力を入れてご紹介しております。是非お手に取って、本物の輝きをご覧ください。
GSTVでもイエローダイヤモンドジュエリーを多数ご紹介しています!
\もっと見たい方!/
古屋 聡(ふるや さとし)
大手鑑別機関や海外オークション会社に勤務した経験を活かし、様々な角度からジュエリーを解説するカラーストーンプロフェッショナル。FGA(英国宝石学協会)資格取得。