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資産価値としてのジュエリー

「資産価値」としてのジュエリー【第3回】ルビー

2022年6月30日

最近、身につけるだけでなく「資産価値」としてジュエリーが注目されています。理由はさまざまありますが、鉱山からの産出が減ってきていること、そして新興国の富裕層が素晴らしいジュエリーをコレクションする機会が増えていることが主な要因です。

そこで世情にそって本連載では「資産価値」の観点からジュエリーを見ていきたいと思います。

(番組ガイド誌「GSTV FAN」2022年7月号掲載記事をWEB用に再編集しております)

宝石の女王「ルビー」

 7月の誕生石・ルビー。
四大宝石のひとつで赤色が特徴の「宝石の女王」。地色の真紅色に鮮やかなホットピンク色の紫外線蛍光が加わることで「インパクトの強い赤色の輝き」を放つことから、特に価値の高い宝石として人気が高いジェムストーンです。

高級色石の代表的な存在

 この鮮やかな赤色を所有したい人が多いのに対して、火山活動という過酷な環境下で成長するため他の宝石と比べて産出量が少なく、大きなサイズの原石も少ないことから古来より高級色石の代表的な存在といわれています。

高値で取引されるルビーの種類

 特に「ピジョンブラッド」と呼ばれる深い真紅の色を持つルビーが高評価であることは有名ですが、実は少しピンク色を帯びる輝きの強いルビーも前者と同様に産出地では高値で取引が行われています。


モザンビーク産 ピジョンブラッドルビー

また近年流通しているルビーの大半に加熱という素材の良さを引き立てる処理が行われていますが、原石を研磨しただけの未処理のルビーも僅かながら産出されています。それら非加熱の素材は高い稀少性から人気が高く、非常に高値で流通しています。

「スタールビー」

 シルクインクルージョンという針状の内包物が外部の光を反射することにより星状の光を宿す「スタールビー」も忘れてはいけないアイテム。星模様がくっきりと見え、色の濃さとその輝きが強いものほど貴重で高価値となります。


スタールビー ルース

ルビーの代表的な産地

 代表的な産地はミャンマー、タイ、モザンビーク、スリランカなどが有名です。

各地域により算出される色や内含物の特徴が異なり、さまざまな表情をみせてくれる奥深い宝石でもあります。


ミャンマー産 スタールビー

「サンライズ・ルビー」

 2015年、スイス・ジュネーブのオークションに出品された巨大な非加熱のミャンマー/モゴック産ルビー「サンライズ・ルビー」(25.59ct)が競り合いの末に約37億円で落札されました。 (1カラットあたり驚異の1億円越え!)

2017、2018年にもルビーのリングがそれぞれ11億円超えの値段で落札されています。


サンライズ・ルビー(サザビーズ)
出典:Sotheby’s | Sunrise Ruby
https://www.sothebys.com/en/auctions/
ecatalogue/2014/magnificent-jewels-no
ble-jewels-ge1502/lot.502.html

稀少性と価値が高まる「ルビー」

  このように年々稀少性が増し、その価値が高まっているルビー。GSTVでも多数のルビージュエリーを取り揃えています。

資産価値としてだけでなく「元気を与えてくれる可憐なジュエリー」として楽しむのにも、まさに今、オススメの石です!

7月のお買い物に、是非お手に取っていただけましたら嬉しいです。

古屋 聡(ふるや さとし)

大手鑑別機関や海外オークション会社に勤務した経験を活かし、様々な角度からジュエリーを解説するカラーストーンプロフェッショナル。FGA(英国宝石学協会)資格取得。

> 古屋 聡のプロフィール

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