宝石辞典

産地別で見る宝石「ルビー」をご紹介

1995年7月30日

産地別で「ルビー」をご紹介します。

 

ミャンマー産ルビー

ミャンマーでのルビーの採掘は、当初沖積鉱床だけに限られていましたが、いまでは周辺の山地の大理石の母岩も採掘するようになりました。数百万年もの風化を経て、ルビーは母岩から離れ、山から谷底へ運ばれ、河川の底に沈んでいきました。こうした古代からの川に堆積した砂利から、宝石の大部分が回収されるのです。

川に堆積した砂利をミャンマーでは「ビョン」と呼んでいます。

モゴック産ルビー

ミャンマーは15世紀以降、ルビーの主な産出国となり、ミャンマーの有名なモゴック地方の鉱山は歴史が古く、高い透明度の美しい最高品質の赤いルビーを産出します。この地域のルビーは不純物の少ない大理石から産出されていて、紫外線を当てると強い赤色を発する特性があります。

モンスー産ルビー

また、ミャンマー中央部のモンスー(MongHsu)鉱山から産出されたルビーは、1993年以降に有名になりました。モゴックでのルビー採鉱が6世紀まで遡るのに対して、モンスーでルビーが発見されたのは1991年のこと。最初は褐色の強いものばかりでさほど注目されませんでしたが、モンスー産ルビーに合った加熱方法が見つかり、非常に美しいルビーを得ることができるようになりました。

マダガスカル産サファイア

マダガスカル産ルビーのほとんどは、足を踏み込めないような密林の奥深く、2004年7月に見つかった比較的新しい鉱床から採鉱されています。

鉱区モラマンガに近いルビー鉱山にたどり着くには、ヘリコプターを使うか、マダガスカルの町アンディラメナから丸一日がかりで(11時間)、山中の熱帯雨林の密林のぬかるんだ道を歩く過酷な行程を進まなくてはなりません。

マダガスカルのルビー鉱床には、ほかにヴァトマンドリーがあります。

ベトナム産ルビー

ベトナム産ルビーは大理石から採掘されていますが、様々な濃淡色で原石中に発達した双晶面により透明度が低下するため、高品質のものはごく少ないのが現状です。また、産出量にも限界があります。

タイ産ルビー

1960年後半に、タイのチャンタブリ地区の玄武岩中に大量のルビーが発見され、宝石市場にてシェアを飛躍的に広めました。70〜80年代のルビージュエリーの多くはタイ産と言われています。

タイ産のルビーは鉄が多く含まれていて、黒味を帯びていることが多いと言われています。その黒味を取り除く加熱技術が開発されたことにより、色が向上しました。

しかし、タイの鉱床は枯渇してしまいました。それでもカンボジアとの国境地帯、パイリンとサムロットの二つの町の付近で、小規模な生産がまだ続いています。

モザンビーク産ルビー

2009年にモザンビークのモンテプエス地区で大量のルビーが発見され、ルビーが生成される一次鉱床として世界最大と言われ、世界から注目を浴びています。モザンビーク産ルビーはミャンマー産のルビーと比べ、ややオレンジとパープルを帯びた赤で蛍光性がやや低めと言われています。

まとめ

産地別で「ルビー」をご紹介いたしました。

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