宝石辞典

宝石「パイライト」の特徴や伝説、「マーカサイト」との違いについて

1995年3月9日

”愚者の黄金”とも呼ばれる「パイライト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説、「マーカサイト」との違いについてご紹介します。

パイライトとは

パイライトは輝くようなゴールデンイエローで、金属光沢を持っています。

パイライトはゴールドと間違えられますが、パイライトはゴールドより軽くて耐久性があります。そして表面には凹凸があり、ゴールドにはない属性があります。ゴールドと間違うのは愚か者だけだということから、別名「愚者の黄金」とも呼ばれています。

パイライトの特徴
原産地 オーストリア、中国、メキシコ、ルーマニア、ロシア、南アフリカ
ゴールデンイエロー
属性 パイライト
硬度6.00 - 6.50
屈折率測定不可能
比重5.00 - 5.20

パイライトの名前の由来

ギリシャ語の「pyr(パイ)」が語源で、「火花が出る宝石」という意味で名づけられました。パイライトで鉄を打つと火花が出るからです。

パイライトの伝説・歴史とは

古代ギリシャでは、飾りピン、イヤリング、魔よけなどに使われました。アメリカインディアンは研磨して鏡として使用していました。パイライトは「ヒーラーのゴールド」としても知られ、クリスタル療法では、知性と守護の宝石として高く評価されています。

パイライトの特徴・特性とは

パイライトは硫化鉄鉱の一つです。原石の状態では、パイライトの結晶は立方体、八面体、五角十二面体(黄鉄鉱型)をしています。双晶は十字形になるので、相互侵入の方結晶のように見えます。コレクターに特に人気があるのは「パイライトサン」あるいは「パイライトダラー」と呼ばれる扁平な円盤状のものです。

パイライトは副成分鉱物として火成岩に見られるほか、堆積岩、特に黒色頁岩や、変成岩でも見られますが、特に多いのは粘板岩です。化石の置換鉱物として発見されることもあります。

パイライトとマーカサイトの違い

マーカサイトは、パイライトの宝飾品としての商品名で使われています。

本物のマーカサイトは、ジュエリーには適していないため、マーカサイトと呼ばれているものは実はパイライトです。外見が似ていたため、何百年も前から混同されていました。マーカサイトという名前は、アラビア語の「marqashith」に由来しますが、これはペルシア(イラン)北東部の古い地方にちなんでパイライトにつけられた名前でした。

ビクリア女王時代に流行したマーカサイトのジュエリー

マーカサイトのジュエリー(パイライト)は、ビクトリア女王時代に流行しました。

マーカサイトのジュエリーは、スクエアカットも使われることもありますが通常は丸い形にカットし研磨したパイライトを用います。そしてパイライトの輝きを強調するためにスターリングシルバーのビーズの間にパヴェ・セッティングでセットされます。光を捉え、小さなダイヤモンドのように輝くので、このような方法が取り入れられました。

マーカサイトのジュエリーには、925シルバーのリング、イヤリング、ペンダント、ブローチ、ネックレス、ブレスレットなどがあります。

まとめ

宝石「パイライト」の特徴や伝説、「マーカサイト」との違いについてご紹介いたしました。

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