カラーチェンジする「ズルタナイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。

ズルタナイトとは

驚くほど美しく、耐久性があり、エキゾチックで希少な宝石ズルタナイトは、特異なカラーチェンジ効果をもつ宝石です。タンザナイトのように、ズルタナイトは大変珍しく、世界中でたった一箇所、トルコのアナトリア山脈でしか発見されていません。高級ジュエリーの新星、ズルタナイトの穏やかなアースカラー系の色がきらめく輝きを見れば、思わず心を奪われてしまうでしょう。お客さまにこの素晴らしい宝石を手にしていただくのはGSTVにとっても喜びです。

ズルタナイトの伝説・歴史とは

名前の由来

ズルタナイトの鉱物名「ディアスポール」は、「散乱する」という意味のギリシャ語「ディアスポラ（ diaspora ）」から来ています。

ディアスポールは1801年、ロシアのウラル山脈、コッソイブロドのムラモルスコイで発見されましたが、今ではトルコの鉱床が世界で唯一のズルタナイトの産地です。ズルタナイトという名前は、13世紀末アナトリア（小アジア）でオスマン帝国を建国した39人のスルタンにちなんで、ムラト・アクギュンが名付けました。

ズルタナイトにまつわる言い伝え

ズルタナイトは心霊能力、アストラル・フォース、大望、知性、願望、知性と感性に基づく感情の発達を助けてくれると信じられています。

ズルタナイトの特徴・特性とは

入手しにくい石

初めてファセットカットされたのは1977年でした。ズルタナイトは極めて珍しい宝石で、大変美しくジュエリーに適していたにも関わらず以前は入手しにくいことに悩まされていました。『宝石と宝石学（ジェムズ＆ジェモロジー）』誌の1994年冬号に掲載された記事には「将来的に供給の見込みがある」とされていましたが、ごく最近まで良質の宝石が入手できたわけではありませんでした。

以前はこの宝石をわずかな量だけ供給していた宝石業者が鉱物名である「ディアスポール」という名前で販売していましたが、この二つを混同しないでください。「ズルタナイト」とネーミングしたものは、世界で一流のカット職人がひとつひとつに最高のカットを施したことを保証したものなのです。

多種多様に変化する色

豪奢で透明なズルタナイトの美しさと興味をそそる点はその多種多様に変化する色にあります。カラーチェンジする宝石として有名なアレキサンドライトと同じように、ズルタナイトは光源次第でキウイグリーンからラズベリーのような紫がかったピンクへと変化します。

信じられないことに、ズルタナイトは次のような色も見せてくれます。

• カーキグリーン
• セージグリーン（灰緑色）
• コニャックピンク
• ピンキッシュシャンパン
• ジンジャー（生姜色）

ズルタナイトのカナリア色のきらめきの入ったキウイグリーンは、太陽光の下で見られます。また白熱灯の照明では豊かなシャンパンカラー、ピンクからラズベリーの色調が現れます。ズルタナイトでより暗いラズベリー色が見られるものは、マンガンをより多く含んでいるためです。

ズルタナイトをただ身に付けるだけでも息をのむほどに多様な色が明らかになりますが、そのきわめてユニークな特徴のひとつは、ほかのカラーチェンジの宝石と違って、ズルタナイトの最高のカラーチェンジがダークトーンによって決まるわけではない、ということです。

ズルタナイトが好まれる理由

宝石についての著作で知られるアントワネット・マトランによると、ズルタナイトの色を好む女性は、微妙なパステルカラーのコントラストが気に入っているという理由と、アースカラーの色調（グリーン、ブラウン、ゴールド）がよく合うので、身につけやすいという理由から愛用しているのだそうです。

キャッツアイ効果

ひとつの特殊効果だけでは不足であるかのように、ズルタナイトの中には人気のあるキャッツアイ効果が現れるものもあります。シャトヤンシー、またはキャッツアイ効果は、宝石の表面に明るい光の帯が一本現れる反射効果です。

希少性を強める理由

僻地での産出

当初、ズルタナイトは1980年代半ばに鉱物マニアや自営採鉱業者が集めていましたが、現在では市場向けに採鉱されています。

海抜1,200メートルあまりの高地にあるトルコのアナトリア山脈（ムーラ県ミラス郡）で、ノミや、つるはしを使った手作業で採掘されます。世界で唯一のズルタナイト鉱床は一番近いセリミエ村からも11キロメートル離れています。

しかし、その希少性は元々数が少ないことや、僻地で産出することだけで決まったわけではありません。

難しいカット

ズルタナイトは、ひとつひとつの結晶に固有のカラーチェンジを際立たせるように正しく方向付けることが大変難しく、経験を積んだカット職人でも技量を試されるからです。

カッティングのあいだに結晶の98％までもが失われ、信じられないほど低い歩留まり（2％）が、この実に美しい宝石の希少性をさらに強めてしまうのです。そしてこれがズルタナイト、それも特に大きいサイズ（5カラット以上）のものが非常に珍しい理由のひとつでもあります。

まとめ

「ズルタナイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。

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