皇帝の宝石と呼ばれる「アレキサンドライト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる歴史について豆知識をご紹介します。
アレキサンドライトとは?基礎知識
「昼のエメラルド」、「夜のルビー」と言われるアレキサンドライトは、実に奇跡のような宝石です。
日光の下では緑色がかった青から深緑に見え、ロウソクの火に照らされるとすみれ色や深紅、赤紫色、紫色、あるいはオレンジ色に変わります。
色が変わる特徴のほかにも、クリソベリルの珍しい変種であることや、希少価値があり、耐久性が高く、ダイヤモンドのような輝きを持つことがあげられます。
ルビーやサファイアと並び、世界的に最も求められている宝石のひとつ。ジュエリー通にとって必須の宝石とも言えるでしょう。
アレキサンドライトの特徴 | |
---|---|
原産地 | インド、マダガスカル、タンザニア |
色 | 緑色がかった青、青緑、深緑、すみれ色や深紅、赤紫、紫、オレンジに変化 |
属性 | クリソベリル |
硬度 | 8.5 |
屈折率 | 1.746〜1.755 |
比重 | 3.73 |
アレキサンドライトの歴史とは
1830年、ロシアのウラル山脈で発見。1834年に、後の皇帝アレキサンドル二世にちなんで「アレキサンドライト」と名づけられました。
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アレキサンドライトの特性とは
天然石の中でも突出する変色の幅
宝石学では、色が変わるクリソベリルをすべてアレキサンドライトと呼びます。変化する色によって名称が異なるということはありません。アレキサンドライトの色の変化は純粋な光源によるものです(純粋な自然光から純粋な白熱光、例えば太陽光からロウソクの火など)。
興味深いことに、カラーチェンジ効果はアレキサンドライトに限ったことではありません。サファイアやガーネットなど、色が変化する宝石は数多くあります。しかしアレキサンドライトが見せる色の変化の幅は、天然石の中では突出しています。
インクルージョン
エメラルド同様、インクルージョン(内包物)はアレキサンドライトに共通する特徴です。
インクルージョンは宝石と地球との自然界における関係を示しています。人工のアレキサンドライトが普及していることを考えると、インクルージョンはむしろ人工の偽物と本物を見分ける美しい証拠とも言えるでしょう。
形と大きさのバリエーションが多い
アレキサンドライトは希少性があり、それぞれの結晶のカラットと美しさを最大限に生かすようにカットされるので、形や大きさが多様です。
アレキサンドライトの原産地
アレキサンドライトが採掘される国は次があげられます。
- ロシア
- インド
- ブラジル
- マダガスカル
- タンザニア
- モザンビークなど
現在ではロシアの鉱山はほぼ枯渇しました。スリランカ、東アフリカ、ブラジルでも採掘されますが、上質な石は非常に稀です。
さらに希少な「アレキサンドライト キャッツアイ」
美しい光学的効果が珍重されるアレキサンドライト キャッツアイは、カラーチェンジ効果にキャッツアイ効果が組み合わされています。
専門的には「シャトヤンシー」と呼ばれるこの興味深い現象は、並行に走るインクルージョンが光を集めて一本の帯状に見せることで起こります。この効果を見せるには、宝石はカボション・カットにしなくてはなりません。
まとめ
「アレキサンドライト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる歴史についてご紹介いたしました。
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