バイキングの石と呼ばれる「アイオライト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。
アイオライトとは
アイオライトは透明で、すみれ色のような青から明るい青、黄色っぽいグレーまである宝石です。多色性(見る角度によって違う色になる)の宝石で、ひとつのアイオライトがたくさんの色を見せます。
アイオライトの特徴 | |
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原産地 | インド、マダガスカル、スリランカ |
色 | すみれ色のような青、明るい青、黄色っぽいグレー |
属性 | コーディエライト |
硬度 | 7.0 - 7.5 |
屈折率 | 1.542 - 1.551 |
比重 | 2.61 |
名前の由来
アイオライトの名前は、ギリシャ語ですみれ色を意味する「イオス」からきています。
アイオライト の伝説とは
「バイキングの石」として知られていた
古いスカンジナビアのサガ(散文物語)によると、古代スカンジナビアの船乗りたちは薄いアイオライト(魔法の「太陽の石」)を、世界で最初の偏光フィルターとして使ったそうです。
アイオライトのレンズを通すと、雲の多い日にも太陽の位置が分かり、船を安全に航行させることができたのです。
そこでアイオライトは「バイキングのコンパス」あるいは「バイキングの石」としても知られます。
航空士や船乗りを導いたアイオライト
ある10歳の少年が「バイキングのコンパス」の話に興味を持ちました。その少年はスカンジナビア航空の一等航空士ヨルイェン・ヤンセンの息子でした。古代スカンジナビアの伝説に登場する「太陽の石」は、磁気コンパスがあてにならない緯度の高い場所で父親が使っている太陽コンパスに似ているように思えました。
父親の太陽コンパスには偏光フィルターがついていて、大気が太陽の光を偏光するため、雲が厚くても航空士には太陽の場所が分かるようになっていました。
息子の言葉に興味を持ったヤンセンは、それをデンマークの考古学者トーキルド・ラムスコウに伝えたところ、ラムスコウはその科学的な重要性にすぐに気づきました。ラムスコウはスカンジナビア産の鉱物を集め、分子が偏光フィルターのクリスタルと似た配置になっているものを探し、アイオライト(鉱物コーディエライトの一種である宝石)を調べました。
ヤンセンとともにグリーンランドに飛んだラムスコウは、ヤンセンが太陽コンパスを使っているあいだ、アイオライトで太陽の位置を追いました。信じられないことに、観察は正確で、誤差は太陽の本当の位置からわずか2.5度でした。
明確な見通しの宝石として知られるアイオライトは、お守りとして身につければ迷える船乗りを輝く太陽へ導き、無事に帰途につけるよう助けてくれると信じられています。
アイオライト の特徴・特性とは
アイオライトは興味深く人気のある宝石です。
ウォーター・サファイアと呼ばれるアイオライト
美しいすみれ色のような青い色は、他のどんな宝石にも無い色ですが、ライトブルーのサファイアと比べられることがあり、そのため、「ウォーター・サファイア」と呼ばれることもあります。
アイオライトの独特の色を生かすには、ネックレスやイヤリングが最適ではないでしょうか。また、耐久性もあるため、日常につけられるリングも魅力的です。
多色性
アイオライトの多色性(見る角度によって違う色に見えること)はとても顕著で、同じ宝石が3色に見えます。
ひとつのアイオライトが、すみれ色のような青、黄色っぽいグレー、そして明るい青に見えるのです。正確なファセットにカットされれば、アイオライトはトップとテーブルから最も美しいすみれ色のような青を、そして違う角度から見たときには他の色を放ちます。
まとめ
「アイオライト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介いたしました。
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