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レポート

【近山晶コレクション見聞】大久保洋子さん・絵弥さんインタビュー<完全版>

2023年3月4日

(番組ガイド誌「GSTV FAN」2022年8月号・9月号の掲載記事をWEB用に再編集しております)

2022年5月、GSTV本社(天王洲アイル)にて、“宝石学の父”と呼ばれる近山晶氏が世界中から収集した約3万点から、稀少価値の高い原石・宝石を展示した「近山晶コレクション」(GSTVミュージアム)の公開が始まりました。この公開は今回が初となり、GSTVファンの皆様に向けてのものです。

近山晶氏は、「宝石は美であり科学である」という信念を持ち、宝石に関わる人々のため調査・研究を重ね、宝石学の普及に生涯をかけました。ここでは「近山晶コレクション」に関わる知見をご紹介します。GSTVでもお馴染、近山晶氏の長女・大久保洋子さん、孫の大久保絵弥さんから、近山晶氏のエピソードを中心に話を伺いました。

近山 晶
近山 晶(ちかやま あきら)

1921(大正10)~2007(平成19) 山梨県甲府生まれ。

略歴

山梨大学工学部卒業。山梨大学講師、山梨県立宝石美術専門学校講師などを務めた。
1952(昭和27年)山梨県立研磨工業指導書の研究主査として硬脆材加工を指導、
1971(昭和46年)技術士となる。
1966年(昭和41年)にイギリス宝石学協会ディプロマ会員(FGA)の資格を取得、カナダ宝石学協会名誉資格会員(CG)をはじめ、ブラジル・スリランカ・中国など世界各国の宝石学協会の名誉会員を務め、宝石学の普及に寄与した。
国際宝石学会議(IGC)名誉メンバー。全国宝石学協会専務理事、宝石学会(日本)常任評議員、日本技術士協会名誉会員など歴任。
1979年(昭和54)に近山晶宝石研究所を設立。
2007年(平成19)逝去

大久保洋子さん&大久保絵弥さん インタビュー

GSTVにゲスト出演されている近山晶氏のご息女・大久保洋子さん、ご令孫・大久保絵弥さん。近山晶コレクションがGSTVファンに向けて初公開ということで、今回は特別にインタビューをさせていただきました。

大久保 絵弥(おおくぼ えみ)

祖父は「宝石学の父」と呼ばれた 故 近山 晶氏、母は大久保 洋子氏。FGA・DGA(英国宝石学協会)資格取得。ファッションも含め、ジュエリートレンドを解説するジュエリーアドバイザー。

大久保 洋子( おおくぼ ようこ)

宝石学の父 故 近山晶氏の長女である彼女は、FGA(英国宝石学協会)の資格を最年少で取得し、現在は国際宝石学会議の日本代表として活躍中。親近感あふれる解説はお客様から絶大な支持を得ております。

「没後15年、果たされた約束」

編集部(以下、編) まずは近山晶コレクションがGSTVで公開されることになった経緯を教えてください。

「GSTVジェムミュージアム 近山晶 宝石コレクション」内

大久保洋子(以下、洋) 父は2007年9月24日、86歳で亡くなりました。検査入院し、わずか1ヵ月後の旅立ちでした。当時、父はGSTVの前身の会社で月1回講義をしていたのですが、「今月(9月)は休ませていただきます。」と私からGSTVの今橋社長(以下、社長)に連絡をしたところ、すぐに病院へ駆けつけてくださいました。その際「近山先生が一番気にしていることは、収集されたコレクションの今後でしょう。」と話しかけていただいたのですが、その数日後に父は亡くなりました。その時の言葉どおり、社長は父のために特別に展示室をご用意くださり、この度GSTVジェムミュージアムとして公開していただくことになったのです。

大久保絵弥(以下、絵) 社長のお父様と祖父の近山晶とは、若い頃からの友人で深い絆があったようですね。社長は祖父から宝石学を学んだと伺っています。

洋) そうそう、私と社長は子供の頃からのお知り合い。だから今回のコレクションのお部屋を見せていただいたとき、社長のお顔を見て、「ああ、15年越しに父との約束を果たしてくださった」と、感謝の気持ちでいっぱいになりました。母も亡くなり父のコレクションは私に任されましたが、膨大な量ですから個人ではとても管理しきれないと常日頃より感じていました。本当によい機会を与えてくださったと思います。

在りし日の展示室

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