アンティークでも現代でも、数多くのジュエリーの不可欠な部分として金(ゴールド/Gold)は扱われています。その貴金属の金について、特徴や種類、歴史をご紹介します。金の中でも価格が手ごろな種類はどれか、またそれは何故かなど本記事を読んでいただくとわかるでしょう。
金(ゴールド)の歴史
金は金属の中でも、もっとも貴重だと考えられてきました。私たちの想像力を惹きつけ、歴史の流れの中で数多くの伝説や神話を生みだしました。金は、尊ばれ、貯蔵され、切望され、人々に、神殿に、崇拝の対象に、惜しみなく授けられました。
世界の通貨を作りだし、戦争を始め、金は人類の歴史の流れを形作る役目を果たしてきました。金は、私たち人間と密接に結びついている金属なのです。
変色せず、腐食せず、金属の中でも最も展延性が高く、驚くほど丈夫な金属です。金の豊かな光沢は昔から国家や宗教の情勢に影響を及ぼしてきましたが、本来の使われ方は個人的な装飾品であることに変わりありません。
金の純度
現在ジュエリーに使われているゴールドは、日常的な耐久性を高めた二次金属との合金です。合金とは1つの金属に別の材料を加えることで、色調を変えたり硬さを与えたりなど材料の性質を改善することができます。
金は純度が高いほど柔らかいので、別の材料を加えることで硬さを加えて耐久性を高めています。
金には様々な純度の合金が存在します。それによって消費者にゴールドの色や価格の手の届きやすさ、耐久性など選択肢の幅を広げています。
金の単位「カラット(karat)」
金の純度は「カラット(金位・karat)」という単位で測ります。
「カラット(karat)」という用語が宝石の重量を量る単位の「カラット(carat)」とまったく同じように聞こえますが、”karat”と”carat”の意味は違います。ゴールドの「カラット」は、金の純度のパーセンテージあるいは割合を表しています。カラット数の高いゴールドは、低いゴールドに比べるとグラム単価が高価です。
純金を24カラットとする24分率で表され、ごく一般的に見かけるゴールドの純度は以下のようになります。
品位 | 純金の割合 |
---|---|
K24(24karat/24金) | 99.9% |
K22(22karat/22金) | 91.6% |
K18(18karat/18金) | 75.0% |
K14(14karat/14金) | 58.5% |
K10(10karat/10金) | 41.7% |
K9(9karat/9金) | 37.5% |
金の価格設定
未加工の金の値付けはカラット(karat)の割合と重量を基に決まります。
ジュエリーの場合、それに加わる要素を考慮します。ダイヤモンドと宝石の価格を計上しなくてはいけませんし、さらにより丈夫で、より華麗で、ユニークでさえあるようなジュエリーを作る製作技術の価値も必要です。頑丈な留め金のような特徴のある部分も、すべて完成したジュエリーの価格に加わります。
トロイオンス
金や銀のような貴金属は、多くの場合「トロイオンス(金衝オンス、Troy Ounce)」で売られています。ゴールドの1オンスが、食料品店で見られる典型的な「オンス(常用オンス、Avoirdupois Ounce)」より約10%多いということを知らない人もたくさんいます。
「トロイオンス」という名前は、中世栄えたフランス・シャンパーニュ地方の商業都市トロイ(Troyes)で使われた重量制から名付けられたと考えられています。1トロイオンスは、31.1035グラムです。
金の産地
金は世界中のいくつもの国々で採掘されていますが、産出量の点では主な産地として以下が挙げられます。
- 南アフリカ
- アメリカ合衆国
- オーストラリア
- カナダ
- 中国
- ロシア
- ペルー
- インドネシア
投資としての金
金は人気があるために何千年ものあいだ品物を購入したり交換したりするのに使われ、1900年代初頭まで金が世界の貨幣制度の基盤となっていました。
今日でさえ、世界の金のうち大きな割合を政府が保有しています。ゴールドのジュエリーを購入する場合、取得して儲かるという保証はありませんが、本質的な価値のあるものを手に入れることになるのは確かです。
金の色の種類
ゴールドには様々な色の種類があります。
純金(K24)
99.99%が金の純金(K24)。オレンジの色が濃い、山吹色をしています。
K18イエローゴールド(K18YG)
時代を超越した永遠の色を示す、最もよく見られるゴールドのタイプです。一般的に銀と銅を割り金として加えられます。
K18ホワイトゴールド(K18WG)
純金の黄色を白に変えるために、次のような割り金が使われていることが一般的に多いです。
- 銀
- パラジウム(白金族元素の貴金属)
- ニッケル
- ロジウム
特に純金の割合が75%の18Kゴールドでは白く見せるために、パラジウムやニッケルなどの強力な脱色剤が使われます。ただしニッケルはアレルギー反応の原因になる可能性があります。
ロジウムとは白金族元素の最も高価な貴金属で、プラチナのおよそ3倍の価格。他の金属にはとても敵わない、硬く輝きの強い仕上がりが得られます。ロジウムメッキは、ニッケルを使用しないホワイトゴールドの国際的な業界標準です。
K18ピンクゴールド(K18PG)
印象的なピンク色がかった人気のゴールドです。海外ではローズゴールドとも呼ばれています。一般的に銅との合金です。
K18シャンパンゴールド(K18CG)
わずかに黄色みを帯びたシャンパンに似た色のゴールド。上品な色合いです。
K18グリーンゴールド(K18GG)
やや青みを帯びた緑色のゴールドです。青割り、青金とも呼ばれています。一般的に銀などとの合金です。
金製品の種類
金製品としては金無垢(solid gold)が市販されているなかで最も多く見かける種類ですが、価値は異なるものの匹敵する美しさを持つ他の種類も知っておきたいものです。もちろん使われている金の割合や重量が大きいほど、価格も高くなります。
金張(Gold filled)
「かぶせ金」とも言います。この言葉は土台の金属に張り付けられた金の層を指します。この用語を使うには、金は少なくとも全重量の10%なくてはなりません。
金メッキ(Gold plate)
素地に薄い金メッキの層が貼りついているという意味です。
ヴェルメイユ(Vermeil)
英語では「ヴァーメイ」と発音されますが、これはフランス語で「ベニヤ」を意味する言葉から来ています。「onlay」、「double」、「silver gilt (金箔をきせた銀)」とも呼ばれます。
一般的にスターリングシルバーとゴールドの組み合わせです。
ヴェルメイユと認められるためには、金は少なくとも10K、厚さは1.5ミクロン以上必要です。火を使った金メッキの工程は18世紀フランスで開発されましたが今日、ヴェルメイユは主に電解メッキによって製造されます。
ホワイトハウスにはヴェルメイユのテーブルウェアのコレクションがあり、使用されないときは「ヴァーメイルルーム」(Vermeil Room)に保管されています。
金箔(Gold leaf)
極度に薄い金の被膜で、叩いて薄く延ばし、対象の表面にはりつけたものです。
まとめ
今回は貴金属の金についてご紹介させていただきました。
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