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宝石辞典

サンストーンの特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説について

1955年3月12日

太陽のような輝き「サンストーン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。

サンストーンとは

永遠の強い輝きを放つサンストーンは、太古から、身につけていると人生に導きがあるとして人気でした。

サンストーンの特徴
原産地 インド、マダガスカル、チベット、アメリカ
緑、カラーチェンジ、オレンジ、赤、黄
属性 フェルスパー
硬度6.00 - 6.50
屈折率1.51 - 1.55
比重2.62 - 2.65

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名前の由来

サンストーンは、「アベンチュリン・フェルドスパー」または「ヘリオライト」としても知られています。ヘリオライトは、ギリシャ語で太陽を意味する「ヘリオス」と石を意味する「リトス」が語源になっています。

サンストーンの伝説・歴史とは

太陽の方向を知るのに使った

古代の石であるサンストーンは、バイキングの墓所の盛り土で見つかったと言われています。

バイキングはこの石の偏光性を曇りの日の太陽の方向を知るのに使ったと考えられています。この「サンストーン」は、実際にはアイスランド・スパー(カルサイト)またはアイオライトだったと思われますが、現代では明るい色のフェルスパーにサンストーンの名がつけられています。バイキングはサンストーンが海の上の航海を助けてくれると信じていただけでなく、死後ヴァルハラや来世への道を見つける道具になるとも考えていました。

ローマ法王クレメント7世(1478-1534)は、表面に見えるゴールドの点が、日の出から日の入りまでの太陽の動きに合わせて移動するサンストーンを所有していたと言われています。

州の石として認定

オレゴン州に住むネイティブアメリカンは、サンストーンを商売や貿易に使用していました。オレゴンのサンストーンは1987年に州の石と認定されました。

医療儀式に使われていた

チベットでは精霊が太陽の治癒能力を利用するという医療儀式に使われていた記録があります。成功した時には、宝石が明るい金色に輝いたとのことです。

クリスタル療法

クリスタル療法では、サンストーンは自らの洞察力を高め、うつ状態を軽減するのに有効だと信じられています。

そのほかサンストーンにまつわる言い伝え

歴史的には、サンストーンは慈悲深い神、成功、幸運に結び付けられていました。

サンストーンの特徴・特性とは

フェルスパーの一種

サンストーンは斜長石のフェルスパーの一種。成分によって灰曹長石(オリゴクレース)、曹灰長石(ラブラドライト)、中性長石(アンデシン)に分類されます。正長石のサンストーンも知られています。

フェルスパーの名前は、ドイツ語で「畑の石」を意味する「フェルト・シュパート」からきています。これは、長石が風化すると、カリウムのように土壌を肥やす植物の栄養素が大量に放出されるからです。

サンストーンの輝きはインクルージョンによるもの

サンストーンの美しく太陽のような輝きは、小さな金属のインクルージョン(内包物)によるものです。

銅またはヘマタイトのインクルージョンによって、何千もの粒子がたわむれるように光にふれ、輝く光のきらめきが生まれます。これが宝石学で言う「アベンチュレッセンス」です。

サンストーンはこの性質を生かすためにカボション・カットにされることが多いのですが、美しい輝きを見せるためにファセットカットされるものもあります。

様々な色がある

サンストーンは次のような色が存在します。

  • 無色
  • ペールイエロー
  • ソフトピンク
  • レッド
  • 濃いティールグリーン

濃い色合いのものでは、一つの石に違う色が帯状に見られるもの、角度によって違う色に見える多色性のものがあります。

カラーチェンジ効果

クリソベリルのカラーチェンジ種であるアレキサンドライトと同じく、ごくまれにですがサンストーンにもカラーチェンジ効果を見せるものがあります。

日光のもとではグリーン、白熱灯の光では赤銅色になります。グリーンとインペリアル(オレンジピンク)のサンストーンもあります。

タンザニア産サンストーン

タンザニア産のサンストーンは2000年にアルーシャに近い放牧地でマサイ族の青年によって発見されました。このサンストーンのスタンダードな赤橙色は、マサイ族の衣装の鮮やかな色に似ています。この宝石は「イリュージョンサンストーン」「タンザサン」「マサイサンストーン」と、様々な商品名で売られています。

タンザニア産サンストーンの特徴は鮮やかな赤とオレンジのヘマタイトの大きな薄片が、ペールグリーンから無色のフェルドスパーの基質に浮かんでいることで、薄片はへき開面に平行に並んでいます。地元アフリカの鉱夫たちはこの大きな薄片を「フラワー」と呼んでいます。多くの場合、ヘマタイト片は石が回るにつれて電気的な派手な色を反射し、美しい色の万華鏡となります。

キャッツアイやスター効果

ヘマタイトを多く含むカボション・カットされたサンストーンには、一本かそれ以上のキャッツアイの帯が見えることが度々あります。マダガスカルとタンザニア産のサンストーンには弱いスター効果が見られるものもたまにあります。これはサンストーンの元々のきらめきを一層強調するものです。

サンストーンが産出される場所とは

サンストーンは溶岩流、雲母片岩、ペグマタイトで形成、結晶化します。通常、一部が分解した岩石の表面や、原石を取り出すために掘られた浅い穴や立坑から、つるはしやシャベルを使って採鉱されます。

主な採掘場所

世界で最も有名なサンストーン鉱山は、オレゴン州のハーニー郡とレイク郡にあります。多く含まれる銅によって独特の明るいオレンジから赤の色になります。また、次のような場所でも採掘されています。

  • インド
  • カナダ
  • タンザニア
  • チベット
  • マダガスカル
  • ノルウェー
  • ロシア

新しいサンストーンが市場に登場

2002年に、今でも論議の的となる産地から、新しいサンストーンが市場に供給されるようになりました。コンゴ産であったり後にはチベット産であったりと、色々表示されていましたが、試験の結果、ラブラドライト、またはアンデシンの成分をもつ斜長石だと判明しました。

銅のようなオレンジ、蜂蜜色、琥珀色、レモン、ライムといった色が渦巻くようにミックスしているのが特徴のこのサンストーンは、微量の銅のインクルージョンによって日光のように美しく輝きます。

サンストーンの銅とヘマタイトのインクルージョンが主にオレンジか赤なのに対して、きらめくイリデッセンスを放つものがあります。このチラチラ光る色の魅力的な混じり合いのために、サンストーンは他の宝石には無い外見になります。上質のサンストーンは大変希少で、このフェルドスパーの一種は宝石の中でも最高級品と同じクラスに位置づけられています。

まとめ

「サンストーン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。

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