「ペリドット」にまつわる神話や逸話をほんの一部ご紹介します。
神話や伝説に登場するペリドット
古代ギリシャやローマのジュエリーに好んで使われたペリドットは、紀元前1500年にエジプト人がザバルガド島※で採掘を始めて以来、常に人気がある宝石でした。「ザバルガド」はアラビア語でペリドットを意味します。
「ザバルガド島」とは
エジプトの海岸から80km沖にある、のちにセント・ジョンズ島と呼ばれるようになる紅海の島。
古代エジプトでは
ペリドットは自然な光を放つため、昔から見つけやすい夜に採掘され、古代エジプト人は、ペリドットは日光を浴びると見えなくなるとさえ言いました。
興味深いことに、エジプト人はまたペリドットの色は太陽神ラーの金色の光を受け継いだものであり、危険から身を守ってくれると信じていました。
クレオパトラも好んだペリドット
クレオパトラは見事な「エメラルド」のジュエリーのコレクションを持っていたと伝えられていますが、実際にはほとんどがペリドットでした。
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聖書に登場するペリドット
聖書のなかでは「火の石」のひとつである(エゼキエル書 28:13-16)とされ、モーゼに与えられ、モーゼの兄アーロンの胸当てにつけられた(出エジプト記 28:15-30)と書かれています。
またエルサレムの城壁の土台石に使われた12の宝石のひとつであり(黙示録 21:19)、12使徒のひとりバルトロマイの象徴とされました。
聖書では、多くの宝石は特定の鉱物名ではなく特定の色の石を指すために使用されていたため、「ペリドット」ではなく、ギリシャ語で「金色の石」を意味する古い名前「クリソライト」という名で登場しています。
ハワイでは「女神ペレ」の涙と信じられていた
ペリドットはハワイでは「ハワイアン・ダイヤモンド」とも呼ばれています。
オアフ島にある有名な岬「ダイヤモンドヘッド」は、その昔、太陽の光で煌めいて見えたことから名付けられましたが、実はこの鉱石の正体はペリドットだったとのこと。
またハワイの先住民は、キラウエア火山から噴出される火山弾から産出されるペリドットは、ポリネシア神話に登場する火の女神ペレの涙だと信じていたそうです。
オスマン帝国のペリドット
オスマン帝国のスルタンは、1300年から1918年の600年間にわたる統治の間に、世界最大のペリドット・コレクションを成し遂げました。玉のみの宝石からイヤリング、リングなどのジュエリーまで、そのおびただしい数のコレクションは壮観です。
様々な言い伝え
パウダー状にしたペリドットは喘息の治療に使われ、熱の下がらない患者の舌の下にペリドットを入れると喉の渇きが癒されると言われました。ペリドットで作ったゴブレットで薬を飲むと、効果が上がるという言い伝えもあります。
海賊たちは、ペリドットには邪悪な霊や夜の恐怖を追い払う力があり、特に金にはめこむといいと信じました。ただし、悪霊を追い払うにはペリドットに穴をあけ、ロバの毛を通して左腕につけなくてはなりません。
火星で発見されたペリドット
おそらく最も珍しいペリドットは宇宙から落ちてくるパラサイト(石鉄隕石)でしょう。
パラサイトは1772年にドイツの科学者ペーター・ジーモン・パラスが発見しました。カットを施されジュエリーにはめこまれることもある、人類が知る数少ない大気圏外の宝石です。2003年にペリドットは火星で発見され、地球以外の惑星で発見された最初の宝石となりました。
まとめ
ペリドットにまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。
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