5千年以上の歴史があるガーネット。ガーネットにまつわる神話や逸話は、数多く伝えられています。
そこで、ガーネットにまつわる神話や逸話をほんの一部をご紹介します。
ザクロの象徴とされたガーネット
ガーネットは長年ザクロの象徴とされてきました。興味深いことに、発掘された太古のジュエリーの中には、小さな赤いガーネットをザクロの実を思わせる房状にはめこんだものもありました。
ザクロはギリシャ神話では永遠という意味を持ち、冥界の王ハデスがペルセポネを誘拐する物語にも登場しています。
闇夜に空を照らす力があると考えられていた
ガーネットはまた火とも関連づけられ、闇夜に空を照らす力があると考えられました。今日でも、ガーネットは信仰、真実、光のシンボルです。グリム童話にも、そのつながりがはっきり分かる物語があります。
昔むかし、おばあさんがケガをした鳥を見つけました。そのおばあさんが鳥を家に連れて帰り、介抱してやったところ、鳥は元気になり、ある日飛んでいきました。
おばあさんは鳥にはもう二度と会うことはないだろうと思いましたが、鳥はガーネットをくわえて戻ってきました。おばあさんは、それを枕元に置いておきました。
驚いたことに、毎晩夜中に目をさますと、ガーネットはたいまつのように輝いているのでした。まるで、親切にしてくれたことに対する鳥のお礼の気持ちが、輝いているかのようでした。
グリム童話より
ユダヤ人の伝説には、大洪水の時にガーネットが光を放ってノアを導き、方舟を救ったという話があります。またイスラム教では、ガーネットが4番目の天国を照らしてくれると信じられていたそうです。
古代スカンジナビアでは、ガーネットのジュエリーがヴァルハラ(英雄の霊を祀る場所)への道を照らしてくれると考え、死者とともに埋葬しました。また、アビシニアの皇帝の宮殿を照らすのにも使われました。
中世では十字軍戦士のお守り
十字軍の戦士は「ガーネットが守ってくれる」と信じ、甲冑にはめこみました。中世においては良くないことを追い出し、損害を退け、健康と騎士道的精神、忠誠心、誠意を高めてくれると信じられていました。
中世では、ガーネットを贈り物として受け取ると幸運が来ると言い伝えられ、ガーネットを盗んだ泥棒には不幸が訪れると言われていました。また、ガーネットが輝きを失うのは、破滅が迫っている兆しだと信じられていました。
ガーネットの流行
18世紀から19世紀にかけては、ガーネットは「流行の宝石」でしたが、化学テストをきちんと行わなかったため、色の濃いルビーと混同されることもしばしばありました。
チェコスロバキア産のガーネットをはめこんだジュエリーは特に珍重され、今日では他でも採掘されているにもかかわらず、ボヘミア・スタイルのガーネットのジュエリーは変わらぬ人気を誇っています。
誕生石、星座石、記念石に定められた
1912年、アメリカ全国宝石商協会が、ガーネットを正式に1月の誕生石に定めました。また、ガーネットはみずがめ座の星座石でもあり、結婚2周年と19周年にプレゼントされる記念石でもあります。
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まとめ
ガーネットにまつわる伝承をご紹介いたしました。
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