ムーンストーンとは
ムーンストーンは、ローマでは月の光でできていると考えられ、インドでは聖なる12宮の宝石と考えられていて、フェルスパー(フェルドスパー/長石)の中でも最も愛された種類のひとつでしょう。
ムーンストーンの特徴 | |
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原産地 | ブラジル、インド、マダガスカル、スリランカ、タンザニア |
色 | 無色から茶、緑、グレー、ピンク、虹、黄 |
属性 | フェルドスパー |
硬度 | 6.00 - 6.50 |
屈折率 | 1.518 - 1.526 |
比重 | 2.58 |
その他 | 6月の誕生石 |
ムーンストーンの伝説・歴史とは
古代インドでは
迷信や疑い、ユーモアやロマンスに彩られたムーンストーンは、古代では、4本の手を持つインドの月の神の額にはめこまれたと言います。その独特の色、そして月の神の考えを察することができるという迷信から、ムーンストーンの名は古代インドでつけられ、今日まで伝わっています。
「月の光が固まったもの」と信じられていた
ムーンストーンは月との関わりから、いつも尊ばれてきました。大昔では、ムーンストーンは月の光が固まったものだと信じられ、その輝きは、宝石の中に住んでいる良い精霊の光だと考えられました。
古代ローマでは
古代ローマでは、ムーンストーンは月の満ち欠けに応じてその姿を変えると言い、また、ムーンストーンのひとつひとつに、月の女神ダイアナ(ディアーナ)の姿が見えると思っていました。
月の女神「ダイアナ(ディアーナ)」とは
ローマ神話に登場する、狩猟、貞節と月の女神。
中世では
中世には、ムーンストーンを見た後に深い眠りにつくと未来を知ることができると言い、ムーンストーンは常に女性で、「女神の」宝石でした。
アジアでは
あるアジアの伝説では、月があるところには雨はないので、ムーンストーンの名は「涙知らず」を意味すると言っています。
ムーンストーンは優しい愛情をもたらしてくれると信じられ、恋人への素晴らしい贈り物と言われました。
別の伝説によると、満月の夜にムーンストーンを口に入れると、恋人たちはふたりの未来を知ることができます。大昔には、男性がムーンストーンを口に入れて未来を予言したそうです。
西洋では
現代の西洋におけるムーンストーンのルーツはドイツ語の「モーントシュタイン」(ムーンストーン)で、18世紀後半に、フェルスパーグループの中でも光沢のあるものを指すのに使われたと言われています。
ムーンストーンは第3の目のシンボル
ムーンストーンは第3の目のシンボルとされ、かつては陰と陽のバランスを保ち、てんかんや日射病を予防し、頭痛や鼻血を治し、豊作を約束してくれると信じられていました。
クリスタル療法では
ムーンストーンはクリスタル療法では、男性が女性的な面を持つ手助けをしてくれると言われています。文化によっては、身につける人の個性を、その長所も短所も合わせて、強調すると信じられています。
ムーンストーンの特徴・特性とは
ムーンストーンは鉱物の中のフェルスパーのグループで、その中でも正長石(オーソクレース)の変種。
フェルスパー(フェルドスパー)という名前は、ドイツ語で「畑の石」を意味する「フェルト・シュパート」が由来。フェルスパーは風雨にさらされると、土壌を豊かにするカリウムなど、植物の栄養素を大量に出すからです。
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ムーンストーンのシラー効果
ムーンストーンは「シラー効果(アデュラレッセンス)」と呼ばれる青白いオパールのような光彩を放ち、それが宝石の表面を漂っています。異なる屈折率を持つ異なるタイプのフェルスパーが共に成長することによって層状構造となり、そのため起きる干渉現象がこのシラー効果(アデュラレッセンス)※を生み出します。この効果を最大限に生かすため、ムーンストーンはカボションカットにされる場合が多いのです。
正長石(オーソクレース)とナトリウム長石(アルバイト)が交互に重なった薄い層になり、光が拡散して青色の閃光現象が現れます。
ムーンストーンの色
ムーンストーンの色は、銀色から青の艶があり、透明度は透明から半透明、そして不透明まで。ボディ・カラーは無色です。
ブルームーンストーンとは
ブルームーンストーンは正長石(オーソクレース)系列で、ムーンストーンの中でも透明度が高くミルキーな青色閃光が美しいもの。スリランカやインドで産出されていて、特にスリランカのミーティヤゴダ(Meetiyagoda)地域では最高級のブルームーンストーンが産出されています。
しかし、現在流通するブルームーンストーンの中には、斜長石系列のペリステライトやホワイトラブラドライト、アンデシンラブラドライトなどが含まれているようです。全てフェルスパー(長石)グループに属していますが、含まれる成分が異なります。
レインボームーンストーンとは
ムーンストーンとレインボームーンストーンは、実は別の鉱物。
一般的に、ムーンストーンはフェルスパーグループの中の正長石(オーソクレース)の一種。レインボームーンストーンはフェルスパーグループの中の斜長石系列で、ホワイトラブラドライトや、アンデシンラブラドライトが「レインボームーンストーン」として流通しています。
ラブラドライトはイリデッセンス(ラブラドレッセンス)と呼ばれる光学効果によって、鮮やかなレインボーを放つ特徴があります。
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アルバイトムーンストーンとは
フェルパーグループの中の斜長石系列の一種で、青色閃光を示すもの。「ペリステライト」とも呼ばれています。
2005年に、タンザニアのナマルル(Namalulu)地域で、高品質なアルバイトムーンストーンが発見されました。カナダのオンタリオ州でも青いシラーの弱いものが産出されています。
まとめ
「ムーンストーン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史ついてご紹介いたしました。
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