2021年1月から始まりました「宝石王子®大松彰の宝石ミニ図鑑」。誕生石をメインに、色々こじつけて希少石もご紹介いたしますので、時間がありましたらぜひご一読ください!今回は4月の誕生石ダイヤモンドを構成する炭素に注目して、ダイヤモンドと同じ炭素を持つ「炭酸塩鉱物」の石をご紹介していきます。
GSTV番組ガイド誌「GSTV FAN」2021年4月号掲載
夏までまてないシュワッと爽やか炭酸(塩)!
4月の誕生石といえば泣く子も微笑むダイヤモンド。
今月はあえてそのダイヤモンドではなく、それを構成する炭素(C)に注目します!
脱炭素時代ではありますが、炭酸塩鉱物は同じ炭素を持ちながらダイヤモンドとは性質がまったく反対で概ね硬度は低め 、ほとんどが半透明から不透明ですが、まれにかわいいキャンディカラーや蛍光色になることがあります。
透明度が備われば、ダイヤモンドに負けない高価なジュエリーになるものも!
ロードクロサイト
まずは女王、ロードクロサイト(MnCO3)。
マンガン起因のピンクはとても人気ですね。中南米で採られる「インカローズ」はまるでカーネーションのよう。「アルマローズ」(アルマ地区なので)と言われるアメリカ、コロラド州スィートホーム鉱山産は透明度も高く原石も含め、今後入手しておきたいレアストーンです。
ロードクロサイト
薔薇のエキスが結晶化したかのよう。このクラス、一度みたら心を奪われます。
カルサイトとアラゴナイト
よくラピスラズリであまり入ってない方が良いと疎まれがちなカルサイト(CaCO3)。
実はこのカルサイト、あのコバルトを含むと見事なピンク色になりまして一気にレア度が上がり、別名「アフロディーテ」と言われています。
ちなみに同質異像(組成が同じで形が違うこと)は、あの真珠の構成成分アラゴナイトです。柔らかいキャンディイエローは大粒狙いで!
コバルトカルサイト
美の女神、値段は高く「ツンデレ」タイプ!?王子所蔵。
アラゴナイト
和名で「霰石」。原石は本当にあられです。王子所蔵。
マグネサイトとガスペイト
これからの季節にばっちりなのがマグネサイト(MgCO3)。
実はこの宝石、ターコイズの類似品と言われるハウライト(Ca2B5SiO9(OH)5)によく間違えられまして、、、実際には化学式を見ていただくと分かる通りハウライトは全くの別物で、かつ希産種でめったに見られません。
なのでハウライトと言われているものはほとんどがマグネサイト!とは言えマグネサイトもとってもきれいな宝石で私もたくさん持っています。
カラフルな独自の世界を生み出す炭酸塩鉱物の中で特徴的な雰囲気を持っているのはガスペイト(NiCO3)。 象徴的なレモンイエローは「華やかわいい」!
マグネサイト
本当に白いターコイズの風合いが素敵ですよねー。爽やか200%!王子所蔵。
ガスペイト
レモンに少しミントを垂らしたかのような清涼感。夏の女王必携品。王子所蔵。
スミソナイト
最後によりレアなものを紹介いたしましょう!
それがスミソナイト(ZnCO3)。
あのスミソニアン博物館で有名なジェームズ・スミソンに因んだ宝石です。白、イエロー、ピンク、ブルーとカラフルですが、もしクリアなタイプにお目にかかったら、、、「買い」です!特にピンク、ブルー。
スミソナイト
宝石質はスーパーレア。ツウな方はヘミモルファイト(異極鉱)と共にお持ちください。よく間違えられることで有名。五十嵐さん所蔵。
※本記事の作成に五十嵐さんにご協力いただきました。ありがとうございました!
大松 彰(おおまつ あきら)
2015年秋 FGA(英国宝石学協会正会員)取得、ジュエリーコーディネーター1級、天然石検定1級、真珠のプロSA(シニアアドバイザー) ※「宝石王子®」は大松彰の登録商標です。
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