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ストーンカメオ講座

【特別企画】ツーソン・ジェムショー&ムンシュタイナー特別展

2025年3月31日

これまで以上に大きな目的を持っての訪問となった今年2月のツーソン・ジェムショーの様子をお話しします。

(番組ガイド誌「GSTV FAN」 2025年4月号掲載記事をWEB用に再編集しております)

ツーソン・ジェムショー

▲ メイン会場AGTAのエントランス

 毎年2月にアリゾナ州ツーソンで開催される世界最大級の宝石・鉱物の展示会であるツーソン・ジェムショー。世界中からバイヤーやコレクター、宝石愛好家が集まり、希少な原石やルース、美しいジュエリーや装飾品が一堂に会します。

メッセやホテルだけでなく、モーテルや大型テントなど複数の会場で同時開催されるのも特徴的で、最新のデザインやカット技術が紹介され、業界関係者にとって重要な商談の機会にもなっています。何度訪れても新しい発見があり、毎回ワクワクさせられる展示会です。

澄み切った青空と乾燥した空気、2月とは思えないほど刺さるような強烈な日差し、そして巨大なサボテン。中西部の荒野を彷彿とさせるその環境もとても新鮮です。

 今回は、スーパーバイヤーとGSTV仕入チームの買付に同行し、いくつもの宝石との出会いがありました。これらの宝石は、今後素敵なジュエリーとなり番組で紹介される予定です。ぜひ楽しみにお待ちください。

▲ 駐車場に植えられたサボテン
▲ ルースをチェックする古屋さんと栗原さん
▲ 広大な空き地に張られた大型テント会場

アリゾナ大学 アルフィー・ノーヴィル宝石鉱物博物館

▲ 今後2年に渡ってムンシュタイナー特別展が開催されるアリゾナ大学アルフィー・ノーヴィル宝石鉱物博物館。

 今回のツーソン訪問で、私が最も楽しみにしていたのはムンシュタイナー特別展の鑑賞と、その開幕を祝うレセプションへの参加でした。

この特別展は、世界中のムンシュタイナーコレクターやその魅力に惹かれた人々が所有する作品が、一つの目的のもとに集められて実現したものです。その目的とは、ムンシュタイナーの功績を称えること、そしてその芸術性に思いを馳せることでした。

 展示された50を超える作品は、彫刻された時代と宝石の種類、色味や輝き、さらにオリジナリティ溢れるカットまで、どれ一つとして同じものはありません。ベルント氏、トム氏、フィリップ氏が手掛けたオブジェ作品に加え、ユッタ氏や他のジュエリーデザイナーによるジュエリーも展示されていました。これだけ幅広い作品を同じタイミングかつ、同じ場所で見ることができること自体が非常に貴重な体験であり、主催者の情熱を感じずにはいられませんでした。

夕方から始まったレセプションには、100名ほどが招待されました。作品の鑑賞と談笑の後、約1時間半にわたる記念講演が行われ、エピソードを交えながら彼らの偉業が紹介されました。スーパーバイヤーと私にとっても、偉大な2人の芸術家に想いを寄せるひとときとなりました。参加者は皆、ムンシュタイナーの大ファンであることが強く感じられ、会場は特別な一体感に包まれていました。

 2021年夏に開館したアリゾナ大学アルフィー・ノーヴィル宝石鉱物博物館は、1919年に設立されたアリゾナ大学鉱物博物館を原型としており、重厚感あふれる歴史的な建物の中にあります。宝石鉱物標本の収蔵展示を行い、学術的な研究と紹介に取り組んでいます。

この博物館は、鉱物コレクションの寄贈者であり、ツーソンの発展にも多大な貢献をしたアラン・ノーヴィル氏が、亡きアルフィー夫人にちなんで名付けたものです。博物館のエントランスには、彼女の肖像画が飾られています。

 ムンシュタイナー特別展の模様は、フィリップ氏にフォーカスした特別番組「麗しの宝石物語」(2025年4月5日放送予定)で紹介予定です。実は、当初撮影NGであったレセプションにもカメラが入り撮影することができました。ぜひ番組をお楽しみに!

▲ 番組撮影の様子
▼ 大型のオブジェの前で(左からユッタ氏、フィリップ氏、スーザン・ヘルミッチ氏、筆者・三沢一章氏)
▲ スミソニアン自然史博物館に収蔵展示されている10,000ct超の非常に美しいアクアマリンのオブジェ「ドンペドロ」と同じ原石からカットされた2番目に大きなオブジェ。(個人コレクター所有)

-ストーンカメオ講座