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映画の中のジュエリーVol.6「アンナ・カレーニナ」

2021年5月31日

「麗しの宝石ショッピング」「ジュエリーライフ11」でお馴染みの人気コメンテーター「目黒佐枝」が映画の中のジュエリーを考察。今回は、映画「アンナ・カレーニナ」のジュエリーをテーマにご紹介します。

(番組ガイド誌「GSTV FAN」2021年6月号掲載記事をWEB用に再編集しております)

映画「アンナ・カレーニナ」

 2012年に公開された映画『アンナ・カレーニナ』は、1877年トルストイの小説を映画化した作品。場面の切り替えを、“劇場の舞台”の表と裏を出しながらストーリーが展開されています。

 この物語は、帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルクが舞台。あらすじは、政府高官の妻と青年将校との恋が知られることとなり社交界からは冷遇され、その後将校とも気持ちのすれ違いが起き、結果的にアンナは列車に身を投げるという悲劇的結末です。あぁ、こういう終わり方は悲しいですね。

 さて、映画の中のジュエリーと時代の文化的背景に目を向けてみましょう。

映画:アンナ・カレーニナ(Anna Karenina) 公開:2012年~
監督:ジョー・ライト  出演:キーラ・ナイトレイ、ジュード・ロウ

ダイヤモンドのネックレス

 主人公アンナが身につけるダイヤモンドネックレスは、シャネル製のジュエリー。注目は、ダイヤのカメリアモチーフがアクセントとして飾られている点です。

 この映画の舞台は19世紀末頃ですが、ロシア宮廷は18世紀以降からフランス文化と言語を積極的に取り入れる時代でした。映画の中でも、家庭教師が貴族の子女にフランス語で挨拶させる場面は、まさにその時代を物ています。そしてジュエリーは、基本的に対で作られ、正しく装うのが正当でしたが、のちにペテルブルグではダイヤモンドをちりばめたスクロール模様など、非対称の装身具も作られた様です。

 シャネルは1920年頃から好んでカメリアモチーフをブローチのように肩や髪に飾っていたというエピソードがあります。幾何学的な丸みの曲線、花びらが織りなす調和により品格を漂わせるような装いを、創設者ココ・シャネルが好んだからだそうです。

 従順な女性だったアンナが自分の意思を貫く変化と、時代を切り開いてきたココ・シャネルのジュエリーがマッチすると思うのは私だけでしょうか。

 私はブローチをパールのネックレスに結合させて装うのを以前からご提案していますが、アンナのネックレスを見ると、同じように似せて見せることが出来ますね。

目黒 佐枝(めぐろ さえ)

GIAサンタモニカ校にて、GGを取得。その後、高級ジュエラーで10年に亘り、ジュエリー選びのアドバイスと販売に携わる。

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