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【まとめ】知っておきたい宝石「デマントイドガーネット」の基礎知識

1995年1月30日

「デマントイドガーネット」について基礎知識をまとめました。

デマントイドガーネットとは

ガーネットの中でも特別な価値を持つデマントイドガーネット。ダイヤモンドをしのぐ高い分散率と屈折率で見事な煌めきとファイヤを見せる宝石です。

デマントイドガーネットの特徴
原産地 ロシア、イタリア、イラン、パキスタン、ナミビア、マダガスカル
グリーン
属性 ガーネット
硬度6.5 - 7.5
屈折率1.714 - 1.888
比重3.47 - 4.15
その他1月の誕生石

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ロシアのウラル山脈で発見

1853年にロシア中央部のウラル山脈にあるふたつの砂鉱床で発見され、当初はエメラルドと思われたため、専門家が詳しく検査するまでは「ウラル・エメラルド」とまで呼ばれました。

その後、ロシア宮廷のジュエリーとして王族や貴族に愛され、宝飾品として多く使用されるようになりました。

1917年以降のロシア革命によりロマノフ王朝が崩壊。鉱山での採掘は完全に途絶え、その後この宝石は“幻の宝石”になりました。2002年に、エカテリンブルグの探鉱者が調査によりシセルツク地域の鉱山を再開発し、デマントイドガーネットは再び市場に提供されるようになりました。しかし、ほとんどは小粒のカット石で、1カラットを超える上質のものはエメラルド並みの高い評価がつきます。

名前の由来

1878年にフィンランドの鉱物学者の提案により、グリーンダイヤモンドに似ていることから、オランダ語でダイヤモンドを意味する「デマント(Demant)」という言葉から「デマントイドガーネット」と命名されました。デマントイドガーネットの光沢と分散がダイヤモンドに似ていたから名付けられたとのことですが、実はデマントイドのファイアーの度合いはダイヤモンドのものよりも高いのです。

ダイヤモンドよりも優れたファイアーが特徴のデマントイドガーネットは、ロシアの金細工師カール・ファベルジェにも愛され、熱心なコレクターにとっては「必ずや手に入れたい宝石」のひとつです。

特徴的なインクルージョン

ウラル山脈から産出された良質なデマントイドガーネットには、特徴的なインクルージョンがあります。それは他の宝石では見られない、馬のしっぽのような針状インクルージョンで、その形から「ホーステール」と呼ばれています。

中心から放射状に広がる針状インクルージョンは、蛇紋石の一種であるクリソタイルの繊維状鉱物です。

デマントイドガーネットの産地

ロシアのウラル山脈は、現在も主要な産地の一つ。そのほかにもイタリア、イラン、パキスタン、ナミビア、マダガスカルなどが知られています。

少量産出地としてアメリカ、メキシコ、韓国、トルコなども挙げられます。

デマントイドガーネットは、変成岩である蛇紋岩起源とスカルン(石灰岩、苦灰岩など)起源のものがあり、蛇紋岩起源のものにホーステールインクルージョンが見られ、原産地はその特徴や、化学組成の相違や着色元素の含有量の差異で見分けることができます。

デマントイドガーネットの起源
蛇紋岩(変成岩)起源 ロシア、イタリア、イラン、パキスタン
スカルン(石灰岩、苦灰岩など)起源 ナミビア、マダガスカル

まとめ

「デマントイドガーネット」の特性、特徴、希少性、石にまつわる歴史についてご紹介いたしました。

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