この3つの用語「光沢」「輝き」「きらめき」は、光と宝石の相互作用の視覚的印象を描写するのに使われます。ですが、往々にして混同されたり誤った使い方をされたり、経験豊富な宝石業界の専門家でも間違えることがあるのです。本記事では、その違いを解説いたします。混乱を整理して、ジュエリーをじっと眺めたとき、正確には何が見えているのかを理解いただけるでしょう。
光沢(Luster)
光沢とは、外側の反射効果で、宝石の表面から反射された光の量を言います。
もしも、宝石に当たる光がほとんど全部反射されて、非常に明るい反射になったとしたら「高い光沢」があると言います(例えば鏡)。もしくは光の多くが宝石に吸収され、鈍い反射になったとしたら「低い光沢」であると言います(例えばレンガ)。
通常光沢を表現する用語には次のようなものがあります。
金属光沢(Metallic)
金や銀のような金属に見られる非常に高い光沢で、次のような宝石にも見られます。
- ヘマタイト(赤鉄鉱)
- パイライト(黄鉄鉱)
ダイヤモンド光沢(Adamantine)
非常に明るい反射で、ほとんど金属に近く、次の宝石に見られる光沢です。
- ダイヤモンド
- アレキサンドライト
- デマントイドガーネット
アダマント(Adamantine)はダイヤモンドと語源が同じ用語ですが、ダイヤモンド以外にも明るい光沢をもつ宝石の光沢を指すのに使われるときもあります。
ラス光沢(Vitreous)
磨いたガラスや、屈折率の値が中程度におさまるほとんどの透明な宝石に見られる光沢です。例として次の宝石が挙げられます。
- エメラルド
- トルマリン
樹脂光沢(Resinous)
琥珀のように、屈折率の低い宝石は樹脂光沢です。
絹糸光沢(Silky)
次の石のように、繊維状の結晶の鉱物は絹糸光沢があります。
- 石膏
- マラカイト(クジャク石)
真珠光沢(Pearly)
真珠は真珠層が重なりあうことで、光が表面と表面付近の層から反射します。
ブリリアンシー(輝き、Brilliance)
ブリリアンシーとは、内側の反射効果で、宝石の内部から反射する光の量を言います。
輝きは宝石の光学的性質(屈折率)やカッティングに左右されます。また輝きは、透明度やクラリティー、研磨、光沢、磨耗によっても変わってきます。
カッティングと光の関係
カッティングの角度によっては、光がまっすぐ宝石の中を通り抜けたり、横にそれることもあります。最適な角度で正確なカッティングを施すことで、テーブルファセット面からまっすぐ覗き込んだときに光が見ている人のところへ戻ってくるのです。
宝石のタイプに合わせて最適なカットを施す
次のような屈折率の低い宝石は通常、最高の輝きを示すようにカットされることはありません。
- クォーツ
- ベリル
- アイオライトなど
最高の輝きを出すには、パビリオンを非常に尖った形にする必要があり、そうなるとジュエリーに石を留めるにはあまりにも深すぎてしまいます。
大切なのは、すべての宝石に同じ最適のカットがあるわけではない点に注意することです。完全なラウンド・ブリリアントカットのダイヤモンドと同じプロポーションでカットすれば、多くの宝石が最高の輝きを見せてくれるのは事実ですが、他の種類の宝石ではパビリオンがもっと深かったり浅かったりするほうが良く見えるのです。
それぞれの宝石のタイプに合わせた最適なカットをするのはそれ自体がひとつの芸術です。正しくカットされていない宝石は、経験不足によるものであれ、宝石カット職人が、最高の美しさを引き出すよりもカラット重量を最大にしようと狙ったとしても、最適な輝きを示すことはないということになります。
きらめき(ファイア、Fire)
ファイア(分散、ディスパーション)とは、光が構成要素の色※の光に分かれることを言います。
構成要素の色とは
構成要素の色とは、赤、橙、黄、緑、青、紫のことです。
光がある媒体から別の媒体へ通るとき、個々の色は違った曲がり方をします。目に見える結果として、光はもう白には見えず、別々の色のように見えるのです。
次のような宝石や、その他サイズの大きい宝石はみんな、ファイアが見えます。美しさと価値を共に高める、宝石にとって望ましい性質です。
- スフェーン(楔石)
- デマントイドガーネット
- ダイヤモンド
- ジルコン
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