9月の誕生石にも新たに追加された、夕べの宝石とも呼ばれる「クンツァイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。
クンツァイトとは
クンツァイトは、パリ風の上品さを醸し出し、温かな白熱光(ロウソクの灯り)の下で優美なパステルピンク、落ち着いたライラック、涼しげなラベンダー、情熱的なフューシャピンクなどの色を放ちます。この繊細な色合いはデコルテのイブニング・ドレスとやわらかなキャンドルの光を完璧に引き立たせてくれるので、クンツァイトは「夕べの宝石」と呼ばれています。
クンツァイトの特徴 | |
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原産地 | アフガニスタン、ブラジル、マダガスカル、ナイジェリア、パキスタン |
色 | ピンクと黄色の色合い |
属性 | スポジュメン |
硬度 | 6.50 - 7.00 |
屈折率 | 1.660 - 1.676 |
比重 | 3.18 |
名前の由来
1902年に(1877年頃とする資料も)カリフォルニアで発見されたクンツァイトは、ティファニーの伝説的な主席宝石鑑定士にして宝石の命名者としても有名な、ジョージ・フレデリック・クンツにちなんで名づけられました。
クンツァイトの伝説・歴史とは
見てそれと分かる外面的な美しさとは別に、ピンクの宝石には超自然的な性質が隠されています。
民間療法
民間療法の専門家は、「ハート・チャクラ」に関連して、ピンクの宝石をたくさん使います。人間の体に流れる7つのエネルギー・ポイントの4番目であるハート・チャクラは、愛や思いやりを感じ取る力をもたらしてくれると言われています。第4のチャクラが滞ると、不安や恐れ、怒り、フラストレーションといった感情がふくらむと言う人がいます。
クリスタル療法
クリスタル療法では、ピンクトルマリンやクンツァイトなどのピンク色の宝石を、ハート・チャクラから負のエネルギーを取り去るのに使います。 この「ピンクのパワー」を高める民間療法は、様々な伝統的な医学や心理学に支持されています。
「ピンク色は脳に指示をして、アドレナリンの分泌を抑え、心拍数を下げ、その結果、怒りなどといった過度の興奮状態を解消してくれます」
1980年『サイエンス・ダイジェスト』
クンツァイトの特徴・特性とは
クンツァイトの名の由来にもなった、宝石鑑定士ジョージ・フレデリック・クンツは、この耐久性のあるピンクの宝石には「燐光性」と「多色性」の、2つの特徴的性質があると述べています。
「燐光性」とは
ダイヤモンドのように、太陽の紫外線に当てた後で暗い部屋に持っていくと光を放つというもの。
「多色性」とは
見る角度によって見える色が違うというもの。
このふたつの現象は大きめの石で生きてきます。たとえば、ペンダント、ドロップ・イヤリングやシャンデリア・イヤリング、開放的なプロング・セッティングやバー・セッティングのリングのようなジュエリーに使うと、光が宝石の中を自由に流れ、クンツァイトのファイアを最大限に強調してくれるのです。
クンツァイトの化学成分に含まれるリチウム、リチウムアルミニウムケイ酸塩、そしてごく微量のマンガンが、秋や春の装いにふさわしい見事なピンクがかったすみれ色を作ります。
ヒデナイトとクンツァイト
スポジュメン属の一種であるクンツァイトは、緑色のスポジュメンのひとつであるヒデナイトに極めて近い種類です。ヒデナイトは魅力的な宝石ですが、非常に希少性が高く、ほとんどコレクターにしか知られていません。
スポジュメンの色は、次の微量元素が結晶の中のアルミニウムと入れ替わることで決まります。
- 鉄(黄から緑になる)
- クロミウム(中間的な緑から深緑になる)
- マンガン(ピンクからライラックになる)
ピンク以外のクンツァイト
クンツァイトは一般的にピンクからすみれ色の宝石だと考えられていますが、他の色も存在します。
イエロー・クンツァイトはイエロー・スポジュミンの商品名。優美なパステル・レモンのメレンゲのようなイエロー・クンツァイトは、マダガスカルとアフガニスタンから運ばれ、色こそ違うもののクンツァイトの要件をすべて満たしており、クンツァイト愛好家に新たな選択肢を提供しています。
クンツァイトは強い多色性を持ち、見る角度によってはっきりとした色の変化が現れ、結晶の上と下からは最も深い色が出ます。熟練のカッティング職人は常にそのことを考慮して、クンツァイトにファセットを入れる作業をしています。
まとめ
「クンツァイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。
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