石の買い付けからデザイン、製造販売まで一貫して行うGSTVだからこそご紹介できる高品質な宝石の数々。数々の鉱山や海外マーケットに足を運んだGSTVバイヤー内藤秀治が、宝石を語ります。
(番組ガイド誌 2015年11月号掲載記事をWEB用に再編集しております)
タンザナイト(Tanzanite)とは
― MAGIC FIRE FROM THE SKY ―
ある日、タンザニア北部のメレラニ丘陵に落雷があり
草原が火に包まれた
マサイ族の遊牧民はこれを『空からの魔法の火』と呼んだ
その原石は茶褐色をしておりそれが美しい宝石になるとは
誰も思っていなかった
石の正式な名称は天然ゾイサイト
現在ではほとんどの原石が加熱を施され綺麗な青を引き出すことが出来るようになりましたが、この美しい青、赤味を帯びた深いライラックブルー、青紫を持つ宝石、世界で唯一タンザニア北部キリマンジャロのふもとのわずか5Kmの細長い土地でのみ産出されています。
色が濃く多色性が見られるものが高く評価され、産出量はダイヤモンドの千分の一という稀少な石です。 多色性とは真上から見たときはブルーで角度を変えたときにうっすらと赤味を感じるものや、光の光源によって色の見え方が変わる宝石の事を言います。一般的なブルーサファイアにはこの多色性はないので見分けるときの一つの目安になります。
専門家によればこの宝石の化学組成はとてもユニークで他の地域で採掘される確率は100万分の1以下であると言われています。
現在、唯一メレラニ丘陵でしか産出されていないこの鉱物はいつか必ず枯渇します。量や質にかかわらず今後25年以内に枯渇すると言っているタンザニアの鉱物学者もいるほどです。
ニューヨーク5番街の宝石店によるプロモーション
1967年に発見されたその宝石は『タンザナイト』と名付けられ、1968年にはアメリカで大々的にプロモーションされました。
ほぼ一夜にしてタンザナイトは人々を魅了し、プロモーションは成功しました。その結果大人気の宝石になり、需要の拡大とともに高値が継続しています。その後、サファイアより大きさを楽しめるためにヨーロッパやアジアでも人気になり一層高価な宝石となりました。
タンザナイトの取り扱いとお手入れ
化学組成:Ca2Ai3(SiO4)3(OH)モースコード6~7
硬度はそれほど低い石ではないのですが劈開性(へきかいせい)が強いので超音波洗浄機はけっして使ってはいけません。 劈開とは結晶でできている鉱物にのみ起こる現象で、機械的な力が加わった時にある一定方向に平行に割れたりはがれたりする性質の事をいいます。
ジュエリーを使った後は柔らかい布で拭くようにして、強弱に関わらず衝撃は与えないように注意してください。また、固い布で強く拭くと表面に傷がつくことがあるので必ず柔らかい布で拭くようにしてください。
ルビーインゾイサイト(Ruby in Zoisite)とは
ルビーインゾイサイトとは不透明なゾイサイトの中にルビーが共生している石です。
色は淡褐色、不透明なブルーやピンク、緑などがあります。この緑色のゾイサイトがアニョライトと呼ばれ、タンザニアで産出するこの石をマサイ語で緑という意味を持つ『anyoli』に由来して名付けられました。
本来であれば、バナジウムの含有により透明で青くなったものを『タンザナイト』マンガンにより不透明な赤味のあるピンクになったものを『チューライト』クロムにより不透明な緑になったものを『アニョライト』と呼びます。タンザナイトの名付け親は有名ですが、ゾイサイトの名付け親は意外と知られていません。1805年にオーストリアのSau-Alp山の中でその鉱物を発見したオーストリアの自然科学者のジグムント・ゾイスフォン・エデルスタイン男爵(Baron Sigmund Zois von Edelstein)にちなんでゾイサイトと命名されました。
原石自体は比較的大きな石が取れていたことがあり、彫刻などのカービングが施され置物の素材として使われていたこともあります。ジュエリーとしては素材を生かした大きめのビーズに研磨されネックレスなどに加工されるものが多く、緑と赤のきれいなコントラストを持ち比較的安価で手に入れられる美しい宝石です。
ちなみに、タンザナイトやゾイサイトのように宝石の石名や鉱物名の最後にライト、ナイト、サイトがよくつかわれていますが、これらは鉱物名の英語の綴りの最後+iteで『ite』とは石を意味するラテン語です。
- タンザナイト―TANZANITEタンザニアの石
- ゾイサイト―ZOISITEゾイスにちなんだ石
上のように使われている宝石や鉱物はたくさんあります。
\もっと見たい方!/
GSTVでは、様々なタンザナイトジュエリーを種類豊富にご用意しております。