石の買い付けからデザイン、製造販売まで一貫して行うGSTVだからこそご紹介できる高品質な宝石の数々。数々の鉱山や海外マーケットに足を運んだGSTVバイヤー内藤秀治が、宝石を語ります。
(番組ガイド誌 2015年12月号掲載記事をWEB用に再編集しております)
ガーネットとは
ガーネットと言ってもさまざまな種類があり学術的な説明は非常に複雑でわかりにくいのでできる限りわかりやすく説明しましょう。
鉱物学の世界では[ガーネット属]と呼んでいます。大きく分けて、「赤色系」と「緑色系」のガーネットとあります。ガーネットは様々な色を持ちます。その理由は共通の結晶構造を持ちつつも、その構造に取り込まれる成分が少し異なる鉱物だからです。ガーネット属の変種は鉱物学的には16種類あり、このうち宝石と呼べるのは6種類になります。
赤色系は「パイラルスパイト」緑色系は「ウグランダイト」に分かれます。
赤色系は「パイラルスパイト」
パイラルスパイト系はパイロープ、アルマンディン、スペサルティンがありそれぞれが混じり合う中間タイプも存在します。
ウグランダイト系はグロッシュラー、アンドラダイト、ウバローバイトがありますが、パイラルスパイト系と異なり成分が混じり合うのはグロッシュラーとアンドラダイトのみです。グロッシュラーアンドラダイトは商業名でマリガーネットと呼ばれています。
緑色系は「ウグランダイト」
グロッシュラーはもともと色となる成分を持っていないため理想的な端成分は無色です。そこに微量のクロムとバナジウムが入ることで緑色になります。アンドラダイトは化学組成上色の元となる鉄の元素があるためにもともと黄色や褐色の色相がありますがクロムが入ることによって黄色から素晴らしい緑の色相が見られます。
余談ですが、無色透明のグロッシュラーガーネットはリューコガーネットと呼ばれダイヤモンドのような煌めきを持ち、コレクターが世界中を探してもなかなか見つけることのできないたいへん稀少な石です。
デマントイドガーネット 〔Demantoid Garnet〕
ガーネットの中でも特別な価値を持つデマントイドガーネット。
古くは1875年からロマノフ王朝時代ロシアの宮廷ジュエリーとして皇族や貴族の間で非常に人気がありました。その人気はヨーロッパにもおよびデマントイドガーネットは特別な石として多くのジュエリーが作られました。
ニューヨークの有名な宝飾店も高価なこの宝石を買い集めたほどです。
1917年ロシア革命により採掘は途絶え、デマントイドはアンティークジュエリーにだけ時折みられる幻の宝石となりました。
しかし、2002年Kladovka(クラドフカ)で鉱山の再開発が始まり、ウラル産デマントイドガーネットが再び脚光を浴びることとなりました。
ウラル産はナミビア産にはない特別なインクルージョンがあり、馬の尻尾のように見えることから「ホーステールインクルージョン」と呼ばれ古くからヨーロッパの皇族・貴族の間では幸運の象徴としてたいへん価値のある特別なガーネットとして愛されてきたのです。
人気の秘密は稀少性だけでなくその美しさにあります。
ダイヤモンドをしのぐ高い分散率と屈折率で見事な煌めきとファイヤーを見せる宝石。 クロムの含有により輝かしい最高級のエメラルドカラーを持つ宝石として、ガーネット属の中でも特別な地位を得た宝石となりました。
近年はその稀少性にヨーロッパブランドやアメリカの有名店なども再び注目し需要が高まる中、産出量が減り特に色の良い石が減ったたうえ、価格の高騰が続いています。 幻の宝石が近年蘇り再びまた幻になるのは遠い未来の事ではないのかもしれません。
\もっと見たい方!/
GSTVでは、様々なガーネットジュエリーを種類豊富にご用意しております。