古代からの宝石「マザー・オブ・パール」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。
マザー・オブ・パールとは
マザー・オブ・パールは、カキやアワビ、ムラサキガイ、ヘリトリアワビなどの貝殻の内側を覆っている、玉虫色の光沢を持つ滑らかな物質です。
マザー・オブ・パールンの特徴 | |
---|---|
原産地 | 中国、日本 |
色 | 多様 |
属性 | 有機物 |
硬度 | 2.50 - 4.50 |
屈折率 | 1.52 - 1.66 |
比重 | 2.60 - 2.85 |
マザー・オブ・パールの名前の由来
「マザー・オブ・パール」という名は15世紀にエリザベス1世に名づけられましたが、その美しさは紀元前3000年からジュエリーや装飾品の飾りに使われてきました。「ナクレ」※とも呼ばれますが、この名前は、この貝がパールを育てる「マザー」であることを示しています。
「ナクレ」は、アラビア語で「貝」を意味する「ナカラ」から
マザー・オブ・パールの伝説・歴史とは
墓所で発見されたマザー・オブ・パール
1920年代、中東のバビロンの東側で一群の墓所が発見されました。この墓所は古代メソポタミアのシュメール人の王族の物で、金や銀、宝石などの財宝や、マザー・オブ・パールがはめこまれた美しい木の装飾品、楽器などが出土しました。マザー・オブ・パールは、この古代文明において富と洗練の証しとされています。
この王族の墓所のひとつで見つかったウル※の銀色の竪琴は、紀元前2600年から2400年のものでしたが、この竪琴は銀の板ですっぽりと覆われ、マザー・オブ・パールがはめこまれていました。
「ウル」とは
古代メソポタミア南部にあった古代都市。
仏様への捧げ物
キリスト生誕の何世紀も前、中国人が、生きている貝の殻と柔らかい外被の間に落ちたビーズや小さな仏様の像が、マザー・オブ・パールに覆われることにすぐに気づきました。
人々はこのようなビーズや彫り物を寺に持って行き、仏様への捧げものにして幸運を祈りました。
身につける者を悪から守ってくれると信じられていた。
カルロス・カスタネダのシャーマンを扱った物語で名を知られるようになったメキシコのインディヘナ、ヤキ族は、「オポオロシム」と呼ばれるネックレスをしています。ネックレスはマザー・オブ・パールでできており、身につける者を悪から守ってくれると信じられています。
ヨーロッパで人気を博す
15世紀には、ヨーロッパでマザー・オブ・パールが金や銀のリング、ネックレスやブローチに使われるようになり、需要が伸びたため、ペルシャ湾のマザー・オブ・パールが激減しました。
ソロモン王の伝説的財宝
1568年、「太平洋の真珠」と呼ばれるソロモン諸島が、スペインの探検家アルバロ・デ・メンダーニャによって発見されました。この島に金とマザー・オブ・パールが豊富にあることを知ったメンダーニャは、ソロモン王の伝説的財宝の源を見つけたと信じ、ソロモン諸島と名づけたのです。
ポリネシアの言い伝えによると、サンゴと砂の精であるオカナとウアロが、タヒチのカキを海の魚のすべての色を持つきらめく外套で覆ったため、マザー・オブ・パールの玉虫色のきらめきができました。
マザー・オブ・パールの特徴・特性とは
質の良いマザー・オブ・パールは二枚貝(2枚の貝殻を持つ貝)と呼ばれる貝の仲間が作ります。
マザー・オブ・パールの真珠層は、有機物の粒子が貝の中に入りこんだ時、あるいは何らかの理由で貝に傷がついた時にできます。
異物あるいは傷に気づくと、貝の中の生物体が、アラゴナイトの派生鉱物である炭酸カルシウムと、つなぎの役割をするたんぱく質のコンキオリンを分泌します。炭酸カルシウムの層が定着し、それをコンキオリンがかこみ、ノリのような働きで結晶をつなぐのです。
マザー・オブ・パールは生きている有機物によって作られるため、その形成には環境的な要因が大きく働きます。マザー・オブ・パールを作る貝は体温の調節ができず、外部の環境の変化の影響を直接受けます。マザー・オブ・パールの色合いは、その遺伝的な性質と周りの水によって育てられ、幅広い種類になるのです。
まとめ
「マザー・オブ・パール」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。
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