宝石辞典

テクタイト・モルダバイトの特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説について

1995年6月13日

宇宙の宝石と言われる「テクタイト・モルダバイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。

テクタイト・モルダバイトとは

「宇宙にいるのは、われわれだけではない!」 太古から人間は「流れ星」や隕石が地球上に落ちてくることに興味を持っていました。さあ、この地球外鉱物の背後のミステリーを明らかにするために、流れ星を捕まえることにしましょう・・・。

流星とは、宇宙の小天体が大気に衝突して燃え上がった際の明るい光のことで、その中でも大きくて完全に燃えつきずに地上に届いたものが隕石。隕石は衝撃で爆発してしまうこともあり、その破片は広範囲に渡って飛び散り、希少性が高い隕石の破片として人気です。めったに見られず収集価値が高いこうした石は、宇宙に魅了された人にとっては完璧な宝石なのです。

テクタイトの特徴
原産地 オーストラリア、オーストリア、中国、チェコ共和国、ドイツ、ラオス、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム
黒、緑
属性 テクタイト
硬度5.50
屈折率1.48 - 1.54
比重2.32 - 2.38

名前の由来

テクタイトの名前はギリシア語で「溶融した」という意味の「テクトス」に由来していて、ウィーン大学の著名な教授であるエドゥアルト・ジュースによって名づけられました。

テクタイト・モルダバイトの特徴・特性とは

まとめてテクタイトと呼ばれていますが、産地によってそれぞれの名前がついています。

宝石の名前産地備考
モルダバイトチェコ共和国、オーストリア、ドイツチェコ共和国のモルダウ川にちなんで
オーストラライトオーストラリア
フィリピナイトフィリピン、中国南部
マレーシアナイトマレーシア
インドシナイトタイ、ビルマ(現ミャンマー)、中国、ラオス、ベトナム

宇宙からやってきた宝石テクタイト

宇宙からやって来た宝石と考えられているテクタイトは、隕石が地球に与えた衝撃で形成された天然ガラスの破片です。テクタイトには次のように二つの種類があります。

【スプラッシュ型】
球体、涙形、ダンベル形、ディスク形といった空力的な形状。

【レイヤード型】
通常は東南アジアでしか発見されませんが、どっしりとした砕屑質状で、層のような構造を見せることも。

テクタイトは表面がなめらかなものもあれば、ざらざらとして腐食がひどいものもあり、地球上で「テクタイト飛散地域」と呼ばれるわずか数ヶ所でしか産出されません。そのほとんどは、その場所かその近くに新しい隕石孔が見られます。

モルダバイトは暗緑色くらいの暗さで、ファセットカットにするのに最適だとされています。ほとんどのテクタイトは漆黒で、溶岩と水分とでできるオブシディアン(黒曜石)に似ていますが、色と化学成分で区別されます。

まとめ

「テクタイト・モルダバイト」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。

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