豆知識

ファセットカットの宝石カッティングの工程を解説

1995年6月20日

美しい宝石が出来上がるために重要な工程である「カッティング」について、どのような流れで行うのでしょうか。今回の記事では、ファセットカットの宝石の場合のカッティング方法について解説していきます。

 

①切り分ける(スライシング/Slicing)

スライシングはカッティングとも呼ばれ、仕上がった宝石のサイズや美しさを最終的に決めるために、宝石の仕上げ工程段階でとても重要な役割を果たします。

原石を選ぶと、先端にダイヤモンドを取り付けた円形のハガネのノコギリを使います。スライス職人は最高の品質を産むにはどのように切るか、どこを切るか、いくつに切り分けるかを決定します。

原石が正しいカットを施されないと、美しさがそこなわれ、素晴らしい原石も平凡な宝石に格下げされてしまいます。

②形を決める(プレフォーミング/Pre-forming)

原石が注意深くカットされると、プレフォーミングが始まります。プレフォーミングの工程は長年の経験と集中力を要します。

プレフォーム職人は、それぞれの宝石に最もふさわしい形を決定しなければならないので、大きな責任を背負っていて、美しさだけでなく、常に出来上がった宝石の重量を考えています。

一般的にプレフォーミングは垂直なハガネの丸砥石機を使用します。

③形づくる(シェイピング/Shaping)

シェイピングの工程には限りない正確さが求められるます。そのためシェイプ職人は通常、熟練したプレフォーム職人が務めます。

シェイプ職人は熱で活性化する特殊な樹脂を使ってプレフォームされた石を通常「ドブ・スティック」と呼ばれる金属の棒に固定します。それから、宝石をシェイピング・ホイールに丁寧にかけ、さらに正確なファセット※とサイズを出していきます。シェイピングの仕上げには、手動のシェイピング・ホイールが使われます。

ファセットとは

ファセットとは、宝石の表面に施されている、角度の違う多数の切子面のことです。この切子面が光を屈折させ内部から輝いてるようにみせます。

④研磨する(ポリッシング/Polishing)

最終工程はポリッシングと呼ばれています。

宝石が理想のサイズと形に達すると、ハガネ(またはハガネと銅)の水平なポリッシング・ホイールでファセットを完成させます。そしてダイヤモンド・ペーストを使って、仕上げの研磨をかけていきます。そうすると、隠れた光沢や輝き、きらめきが引き出されます。

宝石のカット職人

宝石のカット職人(カッター) は、2年の経験を積み、平均して1日30個の宝石をファセットすることができるようになれば「エキスパート」と見なされます。

まとめ

今回は、カッティングの工程をご紹介いたしました。

\もっと見たい方!/
様々なカットの宝石を取り扱っておりますので、ぜひチェックしてくださいね。

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