結晶の世界（後編）【近山コレクション見聞】

1：ブラジル・バイア州Conquista産ルチルの結晶と双晶。ルチルは和名で金紅石とも呼ばれ、火成岩や変成岩などから産出される。また、針状として石英中に入る場合が多い、スタールビー／サファイアのスター効果もルチルによって引き起こされている

2：ブラジル・エスピリトサント州イグアス産のスキャポライト（和名：柱石）。変成岩から産出され、蛍光性を持つものと蓄光性を持つものもある

3：和名は魚眼石でキラキラとした光沢を示すアポフィライト。火山岩の空隙やスカルンから産出されるコレクターに人気のレアストーン。インド・マハーラーシュトラ州Jalgaon産アポフィライトの結晶集合体

4：正方晶系の代表的な宝石であるジルコン。地球上で広く産出され、オーストラリア・ジャックヒルズで産出されたジルコンは地球で最も古い鉱物で、44億年前に形成された。ブラジル・ミナスゼライス州ポソス・デ・カルダス産

5：地球深部のマグマが上昇し、冷えて結晶に成長するペリドット。美しい緑色は主にカシミールやミャンマーから産出される

6：ペグマタイトから無色、黄色、ピンク、青色などの色を示すトパーズが産出。ブラジルやパキスタン産のインぺリアルトパーズは大人気

7：マダガスカルのマハジャアンガ州産セレスタイトの結晶集合体。セレスタイトの和名は天青石で、空の青色を思わせる

8：チタン石とも呼ばれ、クロムの影響で彩度の高い黄緑色を発色し、ダイヤモンドのような輝きを持つ人気宝石・スフェーン。ブラジル・ミナスゼライス州Capelinha産スフェーンの単結晶

9：ブラジルのミナスゼライス州産、双晶を持ったクリソベリルの結晶。ちなみにクリソベリル（和名：金緑石）の中でもキャッツアイは代表的な変種で、希少価値の高い宝石

10：方解石と同じ鉱物で、六角形の柱状の結晶に見えるが、3つの平行四辺形の結晶から集まった三連双晶であるアラゴナイト。モロッコのフェーズーメクネス州から産出された褐色の結晶集合体

11：アイオライト（菫青石）は高温低圧型の広域変成岩から産出される。3色を楽しめる多色性の非常に強い宝石、主な産地はスリランカ、ミャンマー、インドなど

12：ブラジルのミナスゼライス州ボカイウヴァ産の、淡い黄色のユークレース結晶。ベリルやトパーズに類似した宝石のユークレースは緑青色のものがジンバブエからよく産出され、透明度の高いものはブラジルとコロンビアから産出されている

13：ブラジルのミナスゼライス州産クロム・ダイオプサイドの結晶集合体。ダイオプサイトの和名は透輝石で、クロムが含まれるダイオプサイドは緑色を示し、火成岩から産出された濃厚な緑色の結晶は大変希少

14：スポジュメンの変種で、マンガンによってピンク色が形成されるクンツァイト。ペグマタイト中によく産出され、アフガニスタン、ブラジル、アメリカ、ナイジェリアなどが名産地。無色はスポジュメン、緑色はヒデナイト、黄色はトリフェイン

15：砂漠のバラとも呼ばれる石膏。かつて砂漠地帯に水があって、水に溶け込んだミネラルから再結晶したバラのような花状の結晶。サハラ砂漠が最も名産の地

16：微斜長石という種類に属しているアマゾナイト（天河石）。緑色に白色の縞模様のような構造を示す美しい半貴石。ブラジルやカナダ、ウイグルから高品質の石が産出されている

17：カイヤナイト（藍晶石）。3つの方向にへき開があり、刃のような青い結晶の積み重なりとなっている。透明度の高い結晶は大変希少で、ブラジルやタンザニアなどが主な原産地

18：84度の角度で接合した双晶と76度で接合した水晶の双晶を是非自分の目で確かめにきてください。大変希少な双晶がこの博物館に揃っており、とても贅沢な体験になります

19：2つ以上の単結晶から接合してできた双晶を多く展示してあります。水晶の双晶は十数種類もあり、代表的なものは日本式双晶、ドフィーネ式双晶、ブラジル式双晶など。日本式双晶はさらに3種類タイプがあり、V字型双晶、ハート型双晶、軍配型双晶で、薄い平板連晶となっています