インタビュー

近山晶コレクション公開!大久保洋子さん・絵弥さんにインタビュー

2022年8月30日

(番組ガイド誌「GSTV FAN」2022年8月号・9月号の掲載記事をWEB用に再編集しております)

2022年5月よりGSTV本社にて、“宝石学の父”と呼ばれる近山晶氏が世界中から収集した約3万点の内の稀少価値の高い原石・宝石を展示した「近山晶コレクション」のGSTVファンに向けて初公開が始まりました。「宝石は美であり科学である」という信念を持ち、宝石に関わる人々のため生涯をかけ調査・研究を重ね宝石学の普及に努めた近山晶氏。本記事ではそんな「近山晶コレクション」に関わる知見をご紹介いたします。

近山 晶
近山 晶(ちかやま あきら)

1921(大正10)~2007(平成19) 山梨県甲府生まれ。

略歴

山梨大学工学部卒業。山梨大学講師、山梨県立宝石美術専門学校講師などを務めた。
1952(昭和27年)山梨県立研磨工業指導書の研究主査として硬脆材加工を指導、
1971(昭和46年)技術士となる。
1966年(昭和41年)にイギリス宝石学協会ディプロマ会員(FGA)の資格を取得、カナダ宝石学協会名誉資格会員(CG)をはじめ、ブラジル・スリランカ・中国など世界各国の宝石学協会の名誉会員を務め、宝石学の普及に寄与した。
国際宝石学会議(IGC)名誉メンバー。全国宝石学協会専務理事、宝石学会(日本)常任評議員、日本技術士協会名誉会員など歴任。
1979年(昭和54)に近山晶宝石研究所を設立。
2007年(平成19)逝去

大久保洋子さん&大久保絵弥さん インタビュー

GSTVにゲスト出演されている近山晶氏のご息女・大久保洋子さん、ご令孫・大久保絵弥さん。近山晶コレクションがGSTVファンに向けて初公開ということで、今回は特別にインタビューをさせていただきました。

大久保 絵弥(おおくぼ えみ)

祖父は「宝石学の父」と呼ばれた 故 近山 晶氏、母は大久保 洋子氏。FGA・DGA(英国宝石学協会)資格取得。ファッションも含め、ジュエリートレンドを解説するジュエリーアドバイザー。

大久保 洋子( おおくぼ ようこ)

宝石学の父 故 近山晶氏の長女である彼女は、FGA(英国宝石学協会)の資格を最年少で取得し、現在は国際宝石学会議の日本代表として活躍中。親近感あふれる解説はお客様から絶大な支持を得ております。

「没後15年、果たされた約束」

編集部(以下、編) まずは近山晶コレクションがGSTVで公開されることになった経緯を教えてください。

「GSTVジェムミュージアム 近山晶 宝石コレクション」内

大久保洋子(以下、洋) 父は2007年9月24日、86歳のときに亡くなりましたが、検査で入院し、わずか1ヵ月後に旅立ちました。GSTVの前身の会社で月一回講義をしていた父でしたから私が「今月(9月)は休ませていただきます。」と社長に連絡をしたところ、すぐに病院へ駆けつけてくださいました。その時に「近山先生が一番気にしていることは、収集されたコレクションの今後でしょう。」と話しかけていただき、その数日後に亡くなりました。その時の言葉通り父の為に特別に展示室をご用意くださって、この度GSTVジェムミュージアムとして公開していただくことになりました。量が膨大すぎて、私個人ではとても管理しきれないと常日頃感じておりましたので、良い機会を与えてくださったと思います。

大久保絵弥(以下、絵) 社長のお父様と祖父(近山晶)は若い頃からの友人で深い絆があったようですね。社長は祖父から宝石学を学んだと伺っています。

洋) そうそう、私も社長とは子供の頃からのお知り合い。だから、初めてコレクションの部屋を見せていただき、社長のお顔を見て、「ああ、15年越しに父との約束を果たしてくださった」と、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

絵) こちらのミュージアムをご覧になることで、ジュエリーとは違う宝石の世界を知っていただく機会になれば嬉しいです。例えばイベント天王洲のお店に来ていただいたGSTVのお客様にミュージアムにも足を運んでいただき、手に取られた宝石が〇〇産で、原石にはこんな特徴があるなどと宝石の奥の深さを知っていただきたいと思います。出会った宝石の知識をより深めてご自分のジュエリーに愛着を持ち、お楽しみいただける機会にしていただけたら嬉しいです!

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