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インタビュー

【特別企画】ジュエリーデザイナーMARIさんロングインタビュー

2020年11月10日

ジュエリーの魅力を創るのに最も重要な役割でもあるジュエリーデザイナー。
今回は特別企画としてGSTVを代表するジュエリーデザイナーMARIさんにロングインタビューをいたしました。華やかでロマンティック、かつ都会的なエッセンスを表現するMARIさんのジュエリーデザインはどのようにして誕生するのでしょうか?

MARIとは

Wimbledon College of Art(現ロンドン芸術大学)大学院ファインアート専攻修了。FGA(英国宝石学協会正会員)。

大胆かつ繊細なデザインが魅力のGSTVのトップデザイナー。使用する宝石にもこだわり、デザインされたジュエリーの品質はトップクラスを誇る。

ジュエリーデザイナーまでの道のり

宝石やジュエリーに興味を持ったきっかけは?

幼少期よりビーズを使ってリングやネックレスなどを作ることが大好きでした。シロツメクサでネックレスを作って、それを身に着けたときの高揚感が今でも鮮明に心に残っています。それが初めのきっかけだったと思いますが、私の場合、宝石そのものというより最初はジュエリーのデザインに興味を持ちました。ジュエリーデザインは自然の神秘とロマンや芸術性を兼ね備えたものだったからです。

いつ頃からジュエリーデザインの道に進もうと思いましたか?

ジュエリーデザイナーでやっていこうと思うまでには時間がかかりました。もともと音楽家の家系に生まれたこともあり、音楽の溢れる中で育ちました。残念なことに私には楽器を奏でることへの才能はなく、両親も2、3歳ごろにそれに気づいていたようです。

ご両親が音楽家だったのですか?

母はピアノを、父は作曲をしていました。妹もいますが、妹も音楽の道には進まず美術大学で学びました。
幼少期に家族でパリに居たころ、毎日のように母に連れられてルーブル美術館へ足繁く通いました。そのときの絵画に対する興味の示し方が異常なほどだったようで、両親は絵の道へ行くように導いてくれました。両親が音楽をやっていると、どんなに音楽をやっても褒められることが少なかったけど、絵の分野だと褒めてくれましたね。

実際に感銘を受けた絵画や作者はありますか?

王道ですが、モネやゴッホなど。実際に見たときの色彩やその時の感覚などをよく覚えています。

しかし、実際にアートの世界に足を踏み入れてみると自分が何を表現したいのかが分からなくなり、とても悩みました。もしかして自分は何かを表現したいのではないかもしれないという気がして、一度裏方へ回ってみようと思い、ヨーロッパやアメリカの一流建築デザイナーの意匠を日本の建築に取り入れるプロジェクトの通訳として働きました。ゼネコンの代表案件を承けていたため、当時はプライベートジェットで移動し世界の一級品に触れる機会も多く充実した日々でした。

プライベートジェットで世界中へ!具体的にはどちらへ行きましたか?

ニューヨーク、ビバリーヒルズ、ドイツ、フランス、スイス、ブタベスト、ベトナム、香港など。本当にいろいろなところに行きました。

各国のデザイナーと接するうちに自分でも何かを表現してみたいという気持ちが強く芽生えてきました。そんな時に思い出したのが幼少期に大好きだったジュエリー作りです。

アート界からジュエリーデザインへ

アートの世界からジュエリーデザインの道に進む際、歩んできた道から別の道へ飛び込むにはとても勇気がいったのではないですか?

後に母に話を聞いてみたところ、ヨーロッパ各地でも宝石屋さんで展示されているジュエリーにすごく興味を示していたと言われました。アートとは?デザインとは?で何年も悩み、小さいころから変わらず自然体でいられる道をずっと探しつづけてきて、本当に自分が何をしたいのかなと辿り着いたのがジュエリーデザインの世界だったのだと思います。

いきなりジュエリーデザイナーになりたいと言ったところで実現は難しいので、通訳の仕事をしながらジュエリーの勉強をし、まずは日本での登竜門である日本ジュエリー協会主催のJJAジュエリーデザインアワードで入賞したら覚悟を決めてジュエリーデザイナーとしてやっていこうと思い挑戦しました。その時に作った作品が小さい頃の思い出を詰め込んだシロツメクサをモチーフにしたフルネックレスです。この作品が入賞したことを受けて自分の中で覚悟が決まりました。それ以降もフレッシュマンジュエリーコンテストをはじめ、SUWAラフダイヤモンドジュエリーコンテストなどで入賞するようになり自信につながりました。

受賞したシロツメクサモチーフのフルネックレス

ジュエリーデザインについて

ジュエリーデザインをするとき、何からインスピレーションを受けますか?

芸術家だった父から「自然をじっくり観察しなさい、そして自分の心で感じることができなければ人にも伝わっていかない」と教育を受けました。父がテントウムシや蝶、トンボなどを私の手元に乗せて、どんなに小さな昆虫でも心は通じると言って教えてくれた経験がジュエリーをデザインするときのインスピレーションにつながっているのだと思います。

私が目に見えないものをモチーフにしたり空想世界を表現したりすることが多いのも、小さいころに自然と多く関わった経験からきているのかもしれませんね。大自然と接することは私にとって大切な時間で、休日には船に乗り離島などへ出かけてパワーをもらっています。また、日本人のアイデンティティーやバランスも大事にしたいと思い、生け花を長年続けています。

それから、デザインをする時に頭の中でイメージがメロディーのように躍動するのですが、それは幼少期に溢れていた音楽が影響しているからだと思います。

実際にデザインする際に頭の中でメロディーが流れたりしますか?

父の曲だったり、ミュージカルとかオペラとか。作品によって浮かんでくる曲は変わってきますね。

デザインをするにあたり、こだわっていることは?

デザインに臨む際には、常に自分の心が納得するポイントを探っています。作り手が感動しない限り、それを実際に身に着ける方へその感動を伝えることができないと思うので、納得のいく形、石選び、見栄えなど細部にわたって感性を研ぎ澄ますように注意しています。

もともとアート界からジュエリーデザインの世界に飛び込んできたこともあり、アートとデザインの在り方の違いにおいて真剣に悩み、向き合ってきました。双方とも、作品を作るという観点からするとコンセプトは大事な要素ですが、ジュエリーデザインにおいてはコンセプトに加えて実際に身に着けたときにどうなのかという客観的な視点がとても大事だと考えています。そのため、着け心地や着けていただく方、シーンをイメージしてデザインするようにこだわっています。そして何よりも使用する素材、すなわち宝石のコトバを聴いて石たちが心地よく自然とそこに鎮座できるようにエスコートしています。

好きなモチーフは?

目に見えない空想世界です。そして自然界の美しい形はとても参考になります。その美しい形状のイメージを膨らませて、ジュエリーでしかできない色の組み合わせやきらめきの美しさなどを表現していくことにジュエリーデザインの醍醐味があると思っています。

ファンタジー映画などからインスピレーションを受けることは?

特にはないですが、幼少期は「オズの魔法使い」「白鳥の湖」「くるみ割り人形」を良く見ていました。

紹介したいジュエリーは?

現在もう販売はされていないのですが、「スターラインシリーズ」を発展させたラグジュアリーなアイテムです。

リリーダイヤモンドだけでおつくりしたスターラインシリーズ。クリスカット、ラウンドカット、プリンセスカットと、カットの違いで星のきらめきの違いを表現しています。

《SOLD OUT》


発色の良いサファイアを贅沢にミステリーセッティングし、いくつもの星の軌道にみたてたラグジュアリーなリング。ボリューム感あるデザインで主役級のジュエリーです。

《SOLD OUT》


現在販売されている中では、「サンシャインガーデン」と「リーフコレクション」をご紹介します。

サンシャインガーデン

パロットクリソベリルとイエローダイヤモンドのきらめきが、まぶしい太陽のようなきらめきに思えたので「サンシャインガーデン」と名付けました。太陽に照らされキラキラきらめくお庭をイメージした石配置にこだわってデザインしました。


リーフコレクション

多様性の美『成長』『希望』『再生』『復活』を意味するラッキーモチーフでもあるリーフで表現したコレクションです。様々なシェイプのリーフが折り重なって美しいフォルムを作り上げるようにデザインしました。ノスタルジックな雰囲気とモダンな印象を融合させた配置や形状にこだわり、身に着ける方が上品に見えるジュエリーです。



MARIさんといえばスターライン、フラワーガーデン、と大人気のシリーズがありますが、デザイン誕生のエピソードなどありますか?

デザイン誕生エピソードも含めて「スターライン」「フラワーガーデン」それぞれの特集ページを設けました。

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ジュエリーデザイナーのコーディネート

普段のお洋服やジュエリーコーディネートを教えてください。

自分にとってのパーソナルジュエリーはリリー社のメテオカットのダイヤモンドリング。自分だけが分かる意味合いを込めてデザインしたものを定番で着けてお守りにしています。

お洋服は普段はスカートとブラウスの組み合わせかワンピースが多いので、雰囲気に合わせて定番のリングにプラスして身に着けるジュエリーをセレクトしています。

最近のお気に入りのコーディネートは、ピアリングやフェザータッチなどを様々な組み合わせで楽しむことですね。大振りのフープピアリングを、耳たぶではなく耳の内側に着けてイヤーカフのように楽しんだり、何個か組み合わせたり、チャームを通して雰囲気を変えたりしています。

リングと耳周りといった組み合わせが主流ですが、気分を変えたいときにはそこにブローチをアクセントで足しています。マスクにパラジウムシルバーのブローチを付けるのもマイブームです。

ジュエリーファンへメッセージ

皆様のおかげでGSTV開局当初より続けてくることができました。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

宝石は自然界からの送りものと表現されることがありますが、本当にその通りだと思います。それぞれ個性があって、その美しさも一つの物差しで測ることができません。 

宝石との出会いはご縁だと思います。ジュエリーを通じて自然の神秘を感じていただけるようなデザインを提案していきたいと思っています。デザインに込められたメッセージや世界観を楽しんでいただけたらデザイナー冥利に尽きます。

皆様に応援していただけることで成長していけるデザイナーでありたいと願っておりますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


宝石もそれぞれ個性があって、それぞれ美しい。その美しさを最大限に表現するジュエリーデザイナーMARIさんの作品が今後も楽しみです!

\もっと見たい方!/
GSTVオンラインストアではMARIコレクションのジュエリーをたくさんご紹介しております。

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