豆知識

どうやって宝石はできるの?宝石の形成・でき方を解説

2000年5月13日

 

宝石のでき方

何百万年ものあいだ、宝石は様々に異なる環境の地表の下で形成されてきました。 宝石は、3種類の岩石の分類に該当します。次の3つです。

  • 火成岩(マグマ岩)
  • 変成岩
  • 堆積岩

火成岩は溶融したマグマ、溶岩、ガスから結晶化します。堆積岩は地表、 または地表付近の水溶液から結晶化したもので、変成岩は既に存在する鉱物が強い圧力と高温にさらされて再結晶したものです。

4つの過程

宝石の形成は通常、4つの過程に分類されます。

  1. 溶岩と付随流体
  2. 環境変化
  3. 表層水
  4. 地球のマントル内での形成

分かりにくいかもしれませんが、宝石の種類のなかには一つだけでなく、いくつかの過程を経て形成されるものもあります。

【4つの過程・その1】溶岩と付随流体

溶岩と付随流体はマグマ、またはその漏れ出した流体でできる鉱物です。地中深く、熱によって作られます。溶岩と付随流体はさらに、次に分類されます。

マグマの結晶化

マグマが冷却するにつれ、その様々な元素が化合して鉱物になります。一つの鉱物が形成されると、有用元素、温度、圧力が徐々に変化して異なる鉱物が形成されていきます。ときおり鉱物が結晶化する一方、条件が合わなければ結晶はできず、マグマは冷却して、ただの集成岩※になります。

集成岩とは

集成岩とは、小さい、組み合わさった結晶の固体のかたまりです。

すべてのマグマが結晶化する前に、地殻をやぶって地表に向かって噴出します。圧力と温度が結晶化するには低すぎると、マグマの残りは冷却して細粒岩となり、岩の内部に元々あった結晶が 「斑晶」となって分布します。こうした条件で生成される宝石には、次のような石があります。

  • サファイア
  • ルビー
  • ムーンストーン
  • ガーネット
  • ジルコン

気体の結晶化

固体をベースに大きくなる宝石がある一方、気泡の中で形成される宝石もあります。

気泡は火山の噴火の際に上昇するマグマの圧力が急激に減少した時にできます。この気泡には、ある元素が高濃度で含まれ、温度と圧力の組み合わせが適切だと次のような宝石ができます。

  • ガーネット
  • トパー ズ
  • スピネル

熱水

熱水液は、水と熱が地中深くのマグマに作用して作られます。この液体には次のような物質が含まれ、マグマから割れ目や裂け目を通して、こうした成分が漏れ出したものです。

  • 二酸化炭素
  • 特殊元素(フッ素やベリリウムなど)
  • 揮発性物質(すぐに気化しやすい物質)

熱水液は鉱物分を溶解し、または凝固する際に地下水と混じって、鉱脈を作ります。温度、圧力、時間、物理的空間が適切であれば次のような宝石ができます。

  • アメジスト
  • トパーズ
  • エメラルド

ペグマタイト

マントル上部のマグマが揮発性物質で濃縮されると、冷却してペグマタイトと呼ばれる空洞に入ります。溶岩が固まりはじめると、元素は結晶化しはじめ、次のような宝石ができるのです。

  • トパーズ
  • トルマリン
  • クンツァイト
  • アクアマリン
  • モルガナイト

【4つの過程・その2】環境変化

温度や圧力の変化のように、環境の変化によって既に存在する鉱物が新しいものに変わることがあります。この作用を変成作用といい、次の2種類に分けられます。

接触変成作用 (Contact metamorphism)

触変成作用は、既存の岩石にマグマが貫入するときに起きます。非常に高い熱によって周囲の岩石は溶け、より高温で安定する新しい鉱物が再結晶します。

接接触変成作用によってできる宝石には、次のような石があります。

  • ガーネット
  • ディオプサイド(透輝石)
  • スピネル
  • ラピスラズリなど

広域変成作用 (Regional metamorphism)

地球はマントルの上に乗った何枚もの大陸プレートで成り立っています。そのうちの何枚かは同じ場所をめぐってぶつかりあっているので、 山のような地勢の形成の原因はこの相互作用です。

こうした地質学的事象によって生成された極度に強い熱と圧力のために、鉱物は不安定になり、時間をかけて新しい種類の鉱物に変化していきます。 多形体(同質異像体)(polymorphs)は、広域変成作用のあいだに新しい結晶系に再結晶した宝石です。例として次のような、いくつかの変種があります。

  • アンダルサイト
  • カイヤナイト
  • シリマナイト
  • タンザナイト
  • ガーネット

一方、タイガーズアイのような仮像(仮晶)(pseudomorphs)は、広域変成作用のあいだに原子のひとつひとつが置き換えられ、化学組成が変化したものです。

【4つの過程・その3】表層水

鉱物が再循環し新しい宝石が作られるのに、雨が重要な役割を果たします。

水が地中を通る際、様々な方法で互いに反応する、多様な化学物質を取り込みます。大雨の時期の後乾期が来ると、地下水面が下降し、地中の溝や空洞に様々な鉱物が残ります。

水が反応した化学物質によって、次のような鉱物が作られます。

  • オパール
  • ターコイズ(トルコ石)
  • マラカイト(クジャク石)
  • アメジスト
  • 瑪瑙(めのう)
  • アズライトなど

【4つの過程・その4】地球のマントルで形成される宝石

地球のマントルは、マグマと呼ばれる溶岩とガスでできています。地球の体積の83%を占め、3,000キロメートルの厚さがあります。中心付近では、マントルは極めて熱く、熱対流によって常に動いています。マントルと地殻の境界では、高圧高温の動きの激しい地帯ができます。例として極めて高温で結晶化する石では次の宝石です。

  • ペリドット
  • ダイヤモンド

ペリドット

アリゾナにあるペリドットの鉱床は、地中約32~88キロメートルの深さの、マントルのなかに浮かぶ岩の上にできています。

ダイヤモンド

ダイヤモンドは温度がさらに高く、マグマが非常に流動的な地中176~240キロメートルのマグマの中で結晶化するのです。

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