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宝石辞典

スフェーンの特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説について

1995年7月12日

ダイヤモンドよりもファイアが強い「スフェーン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説についてご紹介します。

スフェーンとは

7月の誕生石に新たに追加されたスフェーンは、一条の光線をとらえ、スペクトル色にするという珍しい性質があります。これは宝石学上「ディスパーション」と呼ばれる特徴で、この点ではスフェーンはダイヤモンドに勝っています。この性質と強い多色性によって、色が変化するように見えます。ピンク、ブラック、チョコレート色もたまにはありますが、ほとんどのスフェーンは圧倒的に緑か黄緑色が多く、そこに虹の色が強い輝きとなってきらめいているのです。

「ディスパーション(分光)」とは

宝石に入射した白色光が宝石内部で屈折と反射を繰り返し、赤色や黄色など白色光を構成する各々の光のスペクトルに分解され「虹色」を示します。宝飾用語としては「ファイア」とも呼ばれています。

「多色性」とは

宝石を見る角度を変えることにより、異なった色を見ることができる光学的性質の特徴。
スフェーンの特徴
原産地 ブラジル、マダガスカル、パキスタン、スリランカ
黄緑
属性 スフェーン
硬度5.00 - 5.50
屈折率1.84 - 2.11
比重3.52 - 3.54

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名前の由来

スフェーンという名前は、ギリシャ語でくさびを表す言葉「スフェノス(sphenos)」が由来。スフェーンの結晶が通常、くさびの形をしているからです。

チタンを含んでいるので、その成分から鉱物名でチタナイトと呼ばれることもあります。

スフェーンの特徴・特性とは

スフェーンは華やかに輝ききらめく宝石で、ダイヤモンドよりディスパーション(ファイア)が強い石です。

スフェーンの見事なきらめき、独特の色合い、強い多色性、ダイヤモンド光沢(アダマンタイン)、複屈折といった特徴は、光を集め、そのきらめきを一番効果的に見せるイヤリングやペンダントに最適です。

「ダイヤモンド光沢(金剛光沢)」とは

屈折率の高い鉱物に見られる、ダイヤモンドに似た光沢。

スフェーンのユニークな特徴としては複屈折があります。この宝石を光が通過すると二本に分かれ、その結果、バックファセットが二重に見え、美しくやわらかに霞がかったように見えるのです。

丁寧に磨けば光沢はダイヤモンドに近づくか、同程度になりますが、スフェーンは残念なことに研磨が難しいことで有名。スフェーンをうまく磨けることが熟練した宝石職人の証とされています。

一般的にはインクルージョンが多いと言われ、数カラット以上の大きさでインクルージョンのないスフェーンは、本当にごくまれなものです。

まとめ

「スフェーン」の特性、特徴、希少性、石にまつわる伝説・歴史についてご紹介いたしました。

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